2005年11月29日 田中 宇 記事の無料メール配信 前回の記事では「米軍は日本から撤退している」「米軍の撤退に対応するため、小泉政権は、憲法を改定し、自衛隊を強化しようとしている」「日本国内に憲法を改定できる雰囲気を作るため、小泉首相は靖国神社に参拝している」といった分析を展開した。私は、ふだんは日本の政界の動きをウォッチしていないのだが、前回の記事を書いたので、政界での憲法改定の動きを少し調べてみた。すると、興味深いことに気づいた。小泉政権は、憲法改定のプロセスを進めることに対し、ものすごく急いでいる、ということである。 象徴的なことの一つは、自民党で憲法改定の作業を進めている憲法起草委員会が、中曽根康弘元首相がとりまとめた憲法前文の草案を、全く採用しなかったことである。中曽根氏は、憲法起草委員会のメンバーで、前文について議論する小委員会の委員長をしていた。中曽根前文は「日本国民は