有馬純 東京大学公共政策大学院教授 今回のCOP25でも化石賞が日本の紙面をにぎわした。その一例が12月12日の共同通信の記事である。 【マドリード=共同】世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」は11日、地球温暖化対策に消極的な国に贈る「化石賞」に日本とブラジルを選んだと発表した。小泉進次郎環境相が同日の第25回気候変動枠組み条約締約国会議(COP25)の演説で、脱石炭など意欲的な姿勢を示さなかったのが理由。2日に始まった会議で2回目の受賞となった。 化石賞は環境団体が各国の発言内容をチェックして、ほぼ毎日発表している。1回目は梶山弘志経済産業相が国内での会見で、石炭火力発電の利用を続ける方針を示したのが理由だが、今回COP25に参加した小泉氏も脱石炭触れなかったことで、改めて厳しい目が向けられた。 温暖化に歯止めがかからないとの危機感から世界では脱石炭の流れが決定的だが、日本は二