江戸時代から、安く早くおいしい日常食として庶民に親しまれてきたそばは、今も立ち食いそばとして多くの働く人たちに愛されている。しかし、ほかの飲食業と同じく、原材料費や人件費の高騰などに悩まされているのが現状だ。人口減や嗜好変化などによって外食産業が激変する中、日本最古のファストフード、立ち食いそばはどう生き残りを図っていくのか。 立ち食いそばの2大チェーンである「江戸切りそば ゆで太郎」を運営するゆで太郎システムの池田智昭社長と、「名代富士そば」を運営するダイタンホールディングスの丹有樹社長が、立ち食いそばの現在と未来について語り合った。 3大チェーンはそれぞれ考え方も戦略も違う 立ち食いそばと言っても駅そばや路面店などの立地、さらに店舗規模などでさまざまな業態があり、ライバルと目されることの多いゆで太郎と富士そばだが、やはりそのやり方は多くの点で異なっている。 池田智昭(以下、池田):まず