急拡大するQRコード決済に対し、ICカードにためる電子マネーは守勢を強いられている。日銀の統計では、2021年にJR東日本のSuica(スイカ)や私鉄系のPASMO(パスモ)、イオンのWAON(ワオン)などICカード型電子マネーの決済金額は前年に比べ1%減少した。ICカードやクレカ、「カードレス」で生き残りQRコード決済が当初からスマートフォン(スマホ)の活用を前提にしているのに対し、20年以上の歴史があるICカード型は定期券にも使えるカードとして普及した。しかし、デジタル時代に勝者と敗者を分けるのは何といってもスマホ対応だ。鉄道各社はスマホ内のICチップを使って「カードレス」とすることで、反攻の糸口を探っている。25年度にモバイルスイカの発行枚数を2500万枚まで伸ばす――。JR東は中期経営計画で、スマホを使ったモバイルスイカの数値目標を初めて公表した。21年度実績の1662万枚と比べて