次世代の小型原発「小型モジュール炉(SMR)」開発を進める米新興企業ニュースケール・パワーが米アイダホ州での建設計画を中止した。「安価で安全」という触れ込みの下、米国初のSMR建設計画として注目されたが、世界的なインフレで採算が見込めなくなったという。同社には日本企業も出資。日本政府もSMRに肩入れするが、そもそもの実現性や経済性に疑問符が付いた。先行計画の失敗は何を意味するのか。(岸本拓也)
「稼げる大学」法の廃止を求め、記者会見する(左から)東京大の隠岐さや香教授、明治学院大の石原俊教授、お茶の水大の米田俊彦教授、筑波大の吉原ゆかり准教授 大規模な国立大学法人に合議体の設置を義務付ける国立大学法人法改正案は大学の自治を破壊するとして、改正案に反対する大学教授や弁護士らでつくる「『稼げる大学』法の廃止を求める大学横断ネットワーク」は7日、東京都内で記者会見を開いた。 改正案では、東京大や京都大など大規模な国立大学法人に6年間の中期計画や予算を決議する「運営方針会議」の設置を義務付ける。会議は外部有識者ら3人以上の委員と学長で構成され、学長に運営の改善を要求できる。政府は先月31日に改正案を閣議決定し、早期の成立を目指している。 会見で東京大の隠岐さや香教授は「クリエーティブな研究をするにはボトムアップが必要なのに、トップダウンで進めれば周回遅れになる。軍事研究が後押しされる可能
マイナンバーカード普及のため政府が掲げる「健康保険証廃止」方針。厚生労働省は同カードを保険証として使用する際、受診時に毎回提示を求め、オンラインでの資格確認が必要だとする見解を示している。従来の保険証の場合、初診時や再診時の月1回の確認だけで済んでいたが、患者側、医療機関側双方の手間が増えることになる。いったい何が狙いの「毎回提示」なのか。 (特別報道部・山田祐一郎) 「月1回の確認で十分ではないか。再診でも毎回、確認していたら現場は混乱する」。千葉市緑区の「ドクターケンクリニック」では今年8月に顔認証付きのカードリーダー(読み込み機)を導入し、マイナンバーカードと一元化した保険証を利用できるようにした。マイナ保険証のオンライン資格確認について、中村健一院長が苦言を呈する。
頑張った子が損をする!? 都立高入試「英語スピーキングテスト」の問題点とは? 11月実施目前でも止まない反対運動 来年度の東京都立高入試で初導入される英語スピーキングテストの公平性を巡り、29日の都議会定例会の一般質問で議論が交わされた。30日は、テストの入試導入を阻止する議員提出条例案が文教委員会で審議される予定。一部保護者らも住民監査請求や署名活動で、テストを止めようと動く。11月の実施を目前にしても反発が続くテストの問題点を探った。(沢田千秋) 英語スピーキングテスト 英語の読む、書く、聞く、話すの4技能のうち、話す力の到達度を測る。11月27日に実施予定。ヘッドホンとタブレット端末を使い15分間で8問に解答し音声を録音する。問題ごとに英文読み上げや英語で意見を述べる能力などをみて100を上限にスコアをつける。スコアはA〜Fの6段階評価に変換し、都立高入試で20〜0点を加点。
横浜港で米軍ヘリコプターが低空飛行し、横浜ベイブリッジを支えるケーブル付近まで接近したのを、市民団体「リムピース」の星野潔(きよし)さん(49)が撮影した。航空法では、橋最上部の三百メートル以上を飛ぶことなどが義務付けられているが、米軍には適用されない。今回の飛行目的は不明で、星野さんは「橋のケーブルの真横付近という低空を通過し、危険だ。横浜港は米軍の訓練空域でもなく、許されない」と話している。 (辻渕智之) 星野さんによると、ヘリは三日午後一時ごろ、南側から横浜港に飛来した。米海軍厚木基地(神奈川県)所属の第五一海上攻撃ヘリコプター飛行隊の多用途艦載機MH60Rとみられる。 米軍施設「横浜ノースドック」付近の上空を通過した後、南東に約二キロ離れたベイブリッジ方向に楕円(だえん)軌道を描くように二回飛行し、二回目には橋に低高度で接近。その後、ノースドックに着地し、最終的に南側へ飛び去った。
腹筋を鍛える運動器具「ワンダーコア」を使用中に死亡したのは器具の欠陥が原因として、名古屋市の男性=当時(46)=の親族女性が、ワンダーコアの輸入販売会社「オークローンマーケティング」(同市)に七千万円の損害賠償を求め、名古屋地裁に提訴した。提訴は十四日付。 訴状によると、男性は昨年五月九日未明、自宅でワンダーコアを使用中、首につけていたネックレス二本が、器具のヘッドレストか背もたれ部分のピンに引っかかり、首を締め付けられて窒息死した。
経済産業省が2030年度に目指す電源構成(エネルギーミックス)のうち、原発の占める割合を「20~22%」とする報告書をまとめる際に国民から意見を募った「パブリックコメント(意見公募)」で、原発への依存度をさらに引き下げるかゼロにするよう求める意見が約9割に上っていたことが分かった。寄せられたすべての意見を本紙が情報公開請求して取得し、分析した。 (岸本拓也) 政府は国民から意見を募集しながら全体傾向や詳細は明らかにしなかった。構成目標の最終決定にも反映させておらず、一般の人々からの異論を「封殺」するかのような国民軽視の姿勢が浮き彫りになった。 経産省は今年六月に電源構成の原案を示し、六月二日~七月一日まで意見公募を実施。メールやファクスなどで二千五十七件(本紙集計)が寄せられた。しかし、同省は意見の全容を示さず、七月十六日に原案通り構成を決定。その際、件数と意見を部分的に抜粋し公表したにと
俳優の福山雅治さんと吹石(ふきいし)一恵さんの結婚への感想として、菅義偉官房長官が「ママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』という形で国家に貢献してくれれば」と発言したことについて、民間団体が「多様な女性の在り方を理解していない」として撤回を求める署名をオンラインで募ったところ、七日までに一万人以上が賛同した。 団体は、女性への暴力根絶などに取り組む「女性と人権全国ネットワーク」。菅氏は男女共同参画会議の議長であるにもかかわらず、結婚や出産に関する女性の多様な選択や状況を理解しておらず、発言は戦時下の人口増加政策も想起させ、不適切だとしている。二日から署名サイト「チェンジ・ドット・オーグ」で呼び掛けた。 菅氏は九月二十九日、テレビ番組で「この結婚を機に、ママさんたちが『一緒に子どもを産みたい』という形で国家に貢献してくれれば良いなあと思う」と発言。その後、「人気が高いカップル。世の中が明る
「岐阜市鷺山(さぎやま)一七六九の二」。この住所に住む人が四百人以上いる。市が戦後、河川敷の跡地に一戸建て住宅を整備し分譲した際、住所表記に手を付けなかったからだ。郵便物の誤配だけでなく、救急車の到着遅れという深刻な問題も発生。住民は分かりやすい住所表示を求めるが、市は土地の境界を画定させる作業を優先しており、実現のめどは立っていない。 (安部伸吾) 「救急車が目的の家を見つけられず、前の道路を四回も行ったり来たりした。慌てて外に出て道案内したんだ」。ここに父親の代から住む吉田一郎さん(67)は苦笑いする。岐阜北郵便局は独自に作った地図を使うが、それでも住民から「誤配で再配達を依頼したら、同じ郵便物がまた届いた」との苦情も。担当者は「迷う必要のない住所にしてもらいたい」と注文する。 この地番は岐阜市北部にあり、南北六十メートル、東西五百メートル。一九三五(昭和十)年ごろまで流れていた川の河
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く