SIDE-士郎 俺は、どうしようもない勘違いをしていた。 今まであの歪な願望器のことを「愉快型ロストロギア」などと評していた自分を殺してやりたい。 あれは、そんなかわいいものではなかった。 あれを作った奴は、間違いなく神域の天才だ。 聖杯に勝るとも劣らないほどに悪辣な代物ではあるが、その分性能はピカ一といえる。 邪魔ものに対する対策もされている。上手く使えば、十分に届く可能性を秘めている。 だがあれが真の発動を見れば、周囲に対して甚大な被害をもたらすはずだ。 下手をすれば、その場の全てを消滅させてしまうほどの……。 第10話「強制発動」 ジュエルシード探しをして大分経つが、最近では進展がない。 この広い街の中から、小さな宝石を見つけ出すのが大変なのはわかっている。 全21個あるというジュエルシードも、すでに半分近くが見つかったことを考えれば、仕方のないことかもしれない。 フェイトの食事およ