最高裁は9月9日付けで、熊谷連続殺人事件の上告を棄却しました。そのため、東京高裁が下した「無期懲役」判決が確定しました。つまり、被告人の死刑はなくなり、無差別に6名殺しても死刑にならない、という先例が残ったことになります。 この事件は、さいたま地裁で行われた裁判員裁判で死刑判決が下されたのですが、東京高裁は死刑判決を破棄し、心神耗弱を理由として無期懲役としていました。その後、検察は上告を断念し、無罪を主張する弁護側のみが上告しました。それを今回、最高裁が棄却したのです。 上告棄却の連絡を受けた日、遺族の一人、加藤さんと何度か電話で話しました。加藤さんは、「殺人事件って特別だと思う。司法はもっと被害者に寄り添ってほしい」「司法は、頭のいい人たちだけでやってるのかもしれないし、ちゃんと司法制度を勉強して、という気持ちもあるのかもしれない。でも、そういうことではなくて、もっと人としての感情を理解