【北京=羽田野主】中国の全国人民代表大会(全人代)常務委員会は29日、改正海上交通安全法を可決した。外国船が中国の「領海」に入った場合、中国当局の判断で退去を命じたり罰金を科したりできるようになる。沖縄県・尖閣諸島の周辺海域で緊張が高まる懸念がある。9月1日に施行する。中国国営の新華社通信は改正法の狙いを「海上の交通条件を向上させて、安全保障の水準を高める」と解説した。交通運輸省の傘下の海事局
石垣市の尖閣諸島周辺海域で、日本漁船が中国海警局船の接近、追尾を受ける事態が常態化している。複数の漁業者の証言によると、海警局船は2020年を境に、尖閣周辺から日本漁船を完全排除するための行動を展開している模様だ。通常、海警局船2隻で日本漁船1隻を挟み撃ちにしている。 日本漁船に対する中国公船の威嚇行為は2012年の日本政府による尖閣国有化後から始まった。ただ尖閣周辺で長年漁業活動している石垣市議の仲間均氏(71)によると、ここ数年、中国公船は日本漁船を遠巻きにして近づいてこないこともあり、行動は一定していなかった。 しかし昨年以降、仲間氏が乗船した「鶴丸」は出漁のたびに海警局船から接近、追尾などの威嚇行為を受けるようになった。他の漁業者も海警局船の操業妨害が激化したのは「昨年から」と証言する。 海警局船が領海外側にある接続水域で航行した日数は2020年、過去最多の333日に達し、尖閣周辺
尖閣諸島(沖縄県石垣市)周辺の海域を航行する中国軍の艦艇が入れ替わる際、自衛隊や米軍に動きを察知させないためレーダーを切って航行していることが29日、分かった。実戦を想定した動きを強めているといえる。こうした動きは尖閣諸島周辺の領海侵入を繰り返す海警船と連動しており、防衛省は警戒・監視を強化している。複数の政府関係者が明らかにした。 政府関係者によると、実戦を想定した動きを見せているのは、尖閣諸島北方約90キロの北緯27度線付近の海域を航行する中国軍艦艇。この海域には常時2隻が航行しており、尖閣諸島周辺で活動する海警船に不測の事態があった場合に備えているとみられている。常に同じ艦艇が航行しているのではなく、一定の時間が経過すれば別の艦艇に入れ替わっている。 2、3年前から、この海域に向かう中国軍艦艇は出港時から水上レーダーや対空レーダーを作動させずに航行。海域に到着後にレーダーを作動させ、
尖閣諸島周辺が騒がしくなっている。2月1日に中国で「海警法」が施行され、海上警備を行う海警局の船舶に、武器の使用が認められた。尖閣諸島周辺へのさらなる領海侵入が警戒されるが、ジャーナリストの宮田敦司氏は「中国海軍あるいは海警局乗組員が尖閣諸島に上陸する可能性は低い。あるとすれば、“民兵”を使ったグレーゾーンの作戦だ」という――。 中国海軍が尖閣諸島に上陸する可能性は低い 尖閣諸島周辺における中国海警局船舶の活動が活発化している。今年2月には海警局の強い権限を規定した「海警法」が制定された。同法により、海警局が中国の管轄海域内の海や島に違法建造物があれば強制排除できるだけでなく、中国共産党中央軍事委員会の命令で防衛作戦を遂行できることが明確となった。 これによる日本にとっての問題は主権の侵害、すなわち、尖閣諸島の領海と領土を、中国が管轄海域および領土と規定し、行動する可能性が強まることだ。
(北村 淳:軍事社会学者) 中国が海警局の任務を明確化した海警法を施行して、ますます日中尖閣領有権紛争で攻勢に出始めた(本コラム、2021年1月28日「これで日本が何もしなければ『尖閣はもう終わりだ』」参照)。 それに対して日本政府当局者たちは自民党国防部会において、「尖閣諸島に接近上陸を企てる中国巡視船に、海上保安庁巡視船は危害射撃を加えることができる」と声明したという。 海上法執行機関の兵器使用に関する国際的な常識 アメリカの沿岸警備隊は軍隊としての性格が強いが、国防総省ではなく国土安全保障省の管轄下に置かれている。国によって違いはあるものの、通常、海上法執行機関の軍事的位置づけは、戦時でない場合、基本的にアメリカ同様に法執行機関として位置づけられている。 アメリカ沿岸警備隊と同じく、というよりも、それ以上に第2海軍としての性格が強い中国海警局も、中国人民解放軍ではなく中国武装警察部隊
中国の沿岸警備部隊「海警局」に武器使用を認める海警法が1日に施行され、政府や防衛省、領海警備に当たる海上保安庁関係者に静かな緊張が走っている。ある海保幹部は「すぐに事態が急変することはないだろうが、今後の偶発的衝突リスクはゼロではない」と言う。一方、地元漁師は一部を除き、尖閣海域へ行く者はいない。漁業関係者は「中国の脅威は分かるが、政府には冷静な対応を求めたい」と訴える。(社会部・城間陽介、八重山支局・粟国祥輔、東京報道部・嘉良謙太朗) 昨年5~12月、海警局の船舶2隻が尖閣周辺の領海内で漁をしていた日本漁船を追尾する事案が計8件発生した。漁船と海警船の間隔は600~1000メートル。海上保安庁の巡視船が間に割って入るなどして対処した。 海保側の資料によると、追尾した海警船は尖閣諸島の魚釣島・久場島エリアと、大正島エリアのそれぞれの領海に侵入を繰り返している。これまでも漁船の追尾事案はあっ
中国海警局(海警)に武器使用を認める権限などを定めた海警法(2月1日施行)について、日本政府は中国に懸念を伝えてきた。政府は同法施行にかかわらず、尖閣諸島(沖縄県石垣市)は日本固有の領土で、「断固として守る」との姿勢を強調するが、現実は海警船による領海侵入などを押さえ込めていない。 「この法律が国際法に反する形で適用されることがあってはならない。日本の領土、領海、領空を断固として守り抜く決意の下、冷静かつ毅然(きぜん)と対処していく」 茂木敏充外相は29日の記者会見でこう述べ、中国を牽制(けんせい)した。尖閣は歴史的にも国際法上も日本固有の領土で、そもそも領有権の問題は存在しないというのが政府の一貫した立場だ。 海警法について外務省は外交ルートで中国に懸念を伝えてきた。同省幹部は「海警法が施行されるかどうかにかかわらず自国の領土を守るためにやることは変わらない」と強調する。 28日の菅義偉
河野克俊前統合幕僚長は16日、東京都内で講演し、旧民主党の野田佳彦政権を念頭に、尖閣諸島(沖縄県石垣市)の周辺海域に中国海軍の艦艇が接近した場合は「海上自衛隊の護衛艦は『相手を刺激しないように見えないところにいろ』と(官邸に)いわれた」と明かした。野田政権が平成24年9月に尖閣諸島を国有化した当時、日中の緊張関係が高まっており、中国側に配慮した措置とみられる。 中国軍の艦艇は通常、中国海警局の巡視船が尖閣周辺を航行する際、尖閣から約90キロ北東の北緯27度線の北側海域に展開する。これに対して、海自の護衛艦は不測の事態に備え、27度線の南側で中国軍艦艇を警戒監視している。 河野氏は「安倍晋三政権では『何をやっているのか。とにかく見えるところまで出せ』といわれ、方針転換した。今ではマンツーマンでついている」と語った。自民党の長島昭久衆院議員のパーティーで明かした。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く