核物質の管理強化を進めるオバマ米政権の方針に沿って日本が米国への返還に合意した研究用プルトニウムなどの核物質を運ぶとみられる英国の輸送船が21日朝、茨城県東海村の港に到着した。日本原子力研究開発機構(原子力機構)の施設に保管されていた核物質を積み込み、同日にも米国に向け出航する見通し。 プルトニウムは331キロで原爆40~50発分に相当。冷戦期に英米仏が日本に提供し、高速炉の実験に使われた。米国の核監視団体によると、これほどの量のプルトニウムが海上輸送されるのは1993年にあかつき丸が約1トンをフランスから日本に運んで以来となる。 輸送船は「パシフィック・イグレット」。護衛役を務めるもう1隻の輸送船と共に英国を1月に出航し、今月に神戸港に入港した。ほかに高濃縮ウランも運ぶ予定。最終処分のため米南部サウスカロライナ州にある米エネルギー省のサバンナリバー核施設に運ばれる。
茨城県東海村の原子力研究施設に核爆弾への転用が比較的容易な高濃縮ウランやプルトニウムが計500キロあることへの懸念が、米政府から日本政府に伝えられていたことが非営利の米報道機関「センター・フォー・パブリック・インテグリティー(CPI)」と朝日新聞の共同取材でわかった。 数十発の原爆に相当する量で、原発の核燃料に比べて純度が高く、持ち運びがしやすい形をしている。テロ対策のために核物質の集約をめざす米国に協力せざるを得ないと判断し、日本は24、25両日にオランダ・ハーグである核保安サミットでこれらを米国に引き渡す方針を表明する。 米国が心配するのは、東海村の日本原子力研究開発機構の「高速炉臨界実験装置(FCA)」にある核物質。CPIが入手した米エネルギー省の内部文書によれば、FCAには93%の高濃縮ウランが199キロある。核分裂性のプルトニウムは290キロ余あり、そのうち231キロは92%の純
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く