火がついて叫ぶ子ども。背中の火を消そうと地面にこすりつける男性。 滋賀県東近江市小脇町で4日早朝、子どもを含む10人がやけどを負った消火訓練の爆発火災は、のどかな夏休みの朝を暗転させた。同種の訓練では、多量のすすが出る灯油ではなく、エタノールが使用されるケースが多いという。しかし、専門家からは、気化しやすいエタノールの危険性を指摘する声が出ている。 「熱い、熱い」 爆発現場から少し離れた場所にいた男性(68)は、ドーンという大きな音で異変に気付いた。すぐに、上半身を炎に包まれながら叫び声を上げて逃げる女児が目に入った。 他の住民らと、訓練用の水消火器で、女児の火を消そうとしたが消えず、近くの民家の住民がホースを延ばして水をかけてようやく消し止めた。「火だるまのような状態だった。悪夢としか言いようがない」と、男性はうなだれた。