産業技術総合研究所(産総研)が開発したアザラシ型の癒やしロボット「パロ」が、デンマークの高齢者福祉施設約40か所で導入されることになった。 デンマーク技術研究所(DTI)が20日、東京都内で発表した。 日本のハイテク技術を使った「ロボットセラピー」が海外で本格的に実施されるのは初めて。DTIは「年内に約40か所、2010年までに500か所での導入を目指す」としている。 パロは05年に製造・販売がスタート。これまで約1000体が生産され、日本では個人がペット代わりに購入したり、老人ホームで導入されたりしてきた。 欧米では、認知症のお年寄りのケアにペットを活用する「アニマル・セラピー」が盛んで、DTIは昨年からパロでも同様の効果があるかどうかを確認する実験を続けてきた。 その結果、認知症の患者がパロと接することで気持ちが落ち着いたり、表情が豊かになったりする効果が確認されたため、導入を決めた。