新型コロナ禍で多くの企業の業績が悪化している。電機業界も例外ではない。前年度(2020年3月期)決算では、大手8社(ソニー、パナソニック、シャープ、日立製作所、東芝、三菱電機、NEC、富士通)のうち、NEC、富士通を除く6社の当期純利益が減少した。 しかし、これは序の口である。コロナ禍の影響で本当に苦しむのは今年度(2021年3月期)だ。業績予想を出せない企業が上場企業のうち約6割に上っている。電機でも対応が分かれ、業績予想を出した企業も達成に確信があるわけではない。その多くが足元の2020年4~6月期をボトムとみているが、第2波、第3波がいつ来るかは読めず、さらに「車載市場は厳しい状況が続きそうだ」(日立製作所幹部)との声もある。 過去10年の累計純利益1兆円超えは大手8社中3社のみ 『週刊東洋経済』は6月15日発売号で、「電機の試練」を特集。過去の巨額赤字で深い傷がようやく癒えてきたと