洋楽ファン、特にオルタナティブ・ロックやポスト・ロックに関心のあるリスナーならば、たとえアイスランド語がわからなくても、ビョークやシガー・ロスやアウスゲイルの音楽には日常的に親しんでいると思うし、あるいは映画ファン、特にサントラ好きならば、2018年の突然の死が世界中に衝撃を与えたヨハン・ヨハンソンや、『ジョーカー』でアカデミー作曲賞を受賞したヒドゥル・グドナドッティルの名前を知らない者はいないだろう。 いまさら指摘するまでもなく、アイスランド出身のアーティストたちは過去30年近くにわたって世界の音楽シーンを牽引し続け、多くのファンを生み出してきた。これらのアーティストの華々しい活躍に比べると、アイスランドのクラシック・アーティストはどちらかというと地味な存在だったかもしれない。 ヴィキングル・オラフソンという、とんでもない才能を持ったピアニストが現れるまでは。 ビョークとの共演 百聞は一