こんにちは、パオロ・マッツァリーノです。 隣家の犬の鳴き声がうるさいと、犬をバットで滅多打ちした事件が起きました。 犬にとっては災難です。ヒドい話です。でも私は、飼い主にはまったく同情しません。なぜなら、飼い主は騒音問題の加害者である可能性が高いからです。 犬の鳴き声騒音については、2012年に出版した『怒る!日本文化論』ですでに取りあげたので、詳細はそちらを読んでいただきたいのですが、その際いろいろ調べてわかったのは、犬の鳴き声騒音問題では、ほぼ百パーセント、飼い主に原因と責任があるということです。 しあわせな犬は吠えません。適切なしつけをしてあり、かつ、飼育環境に問題のない場合、犬はむやみに吠えません。犬が吠えるのはストレスを感じているからです。つまり犬が毎日のように吠えたり鳴いたりするのは、飼い主が犬を不幸にしている証拠なのです。 なにかトラブルが起きるたびに聞こえてくる空虚な言葉。