日中国交正常化40周年を迎える本年。先の大戦を知らず、国交正常化当時もまだ生まれておらず、物心つくころには冷戦も終焉を迎えていた--そんな、新世代を担う若き俊英たちの目に、日中関係はどう映っているのか。これまでの歴史的文脈に新たな展望を加えるべく、南山大学アジア・太平洋研究センター主催のシンポジウム「新世代の日中関係論―日中国交正常化40周年に寄せて」が開催され、三者の熱い討論が行われた。(2012年10月27日 於 南山大学) 曖昧な決着を阻むナショナリズム 家永 インターネットの話が出ましたが、科学技術史というかメディアの進化は、歴史を見る上ですごく大事だと思うんです。 今、裏表のある外交的な曖昧な決着というのが、すごくやりづらい時代になってしまっている。私のイメージですけれど、1990年代以降と以前で、全然違うんじゃないかと思うんです。なので、曖昧にすればいいというだけの話にはなりに