いつのころから、餃子の皮は自作するようになった。きっかけは、たまらなく餃子を食べたくなった日が雨だったから。餃子は食べたいが皮を買いに出るのはめんどくさい。たった1個のリンゴで戦争が起きるように、これもまたくだらない些細な理由である。実際、スーパーを往復する時間があれば餃子の皮はつくれるのだ。 もちろん市販の餃子の皮をあらかじめ買っておくこともあったが、そんなときに限って私用が立て込み、餃子どころではないこともしばしば。しかも買ってしまったら待ったなし、市販とはいえ生ものだからそこまで日持ちはしない。仕事以外で締め切りを迫られるのは勘弁だ。 ところで、中国で餃子といえば水餃子であり、日本では焼き餃子のほうが一般的である。中国では鍋貼(ゴーティエ)という焼き餃子があるものの、皮で包んで端は包まない棒状であるから、しっかり皮で包まれた日本の焼き餃子は日式餃子と呼ばれ、あくまで日本食だという。