標高の高い山への登山で注意したい高山病。今回は、高山病になる原因や対策について、運動生理学の専門家にご説明いただきました。 「高所」とは? 7月に入り、富士山が山開きを迎えました。今年も富士山には多くの登山者が訪れることが予想されています。環境省は、7月〜8月の2ヶ月間での富士登山者数は、2005年は20万人でしたが、2010年は30万人が訪れていることを報告しています。とても人気のある富士山ですが、山頂の標高は3776mであり、登山中に高山病を発症する危険性も高いです。 実際に、富士山吉田口の8合目の診療所を訪れた人のうち、8割が高山病の症状だということも報告されています。 では、どのくらいの高度から高山病の危険性があるのでしょうか。高山病の症状を高度別に表すと、高度1500〜2500mは「準高所」であり、重症の高山病は起こらないとされています。そして、高度2500〜3500mは「高所」