■連載/あるあるビジネス処方箋 今回は、会社員の人事評価や処遇について昨年取材し、随分と考え込んだ事例を紹介したい。読者諸氏にも、いずれ降りかかることがあるかもれないケースだ。 ある男性は29歳の時、超一流企業に中途入社した。だが、スランプに苦しみ、孤立する。ついには上司から退職を迫られ、失意の日々で辞めたくなるという。 漠然とした理由や目的での採用、マネジメントにも問題が? 男性は放送局の報道局ディレクターで、上司である部長や副部長から退職勧奨を受けていた。会議室に呼ばれ、「退職を考えたほうがいい」「残っても、活躍の場はない」と、1時間程言われる。話し合いは2か月で5回を超えた。 男性はこの2年前に800倍の中途採用試験に受かり、入社した。だが、思い描いたように仕事ができない。部長や副部長、先輩社員と企画や番組作りをめぐり、意見がぶつかった回数は部内(ディレクター70人程)で最も多い。激