製造業のグローバル化が加速する中、アジア市場では中国企業の台頭が目覚ましい。日本企業は長年培ってきた技術力を強みに持つものの、急速な変化への対応に苦慮している。 日立製作所の阪本弘輝さん(デジタルシステム&サービス営業統括本部 デジタルマーケティング統括本部)は、こうしたグローバルな製造業の現場に身を置く一人だ。 同社には社内から推薦された一部の人材が海外研修生として選ばれ、海外に派遣される制度がある。阪本さんを含め将来有望な若手社員4人が、2024年3月から1年間タイに在住している。 取材時点で赴任して約4カ月。まだ数カ月だが、阪本さんはすでに日本の製造業の課題の輪郭を捉え、今後なすべきことを考え始めている。これまでのキャリアの変遷とともに、製造業の最前線で奮闘する若手社員の胸の内を聞いた。 留学先で知った日本の評価 阪本さんの製造業への興味は、中学生の頃からの「政治家になりたい」という