https://bookmeter.com/reviews/66555920 戦争の思想や戦略の変遷を、ナポレオン戦争〜イラク戦争の具体例から地理的・技術的条件を交えてロジカルに、かつコンパクトに解説される。優れた解説である一方、戦争をロジカルに整理しようとすると不可避的に、国家間の損得勘定のゲームとして抽象化してしまう。そのことを相対化しない限り、ロジカルであることがあたかも「正しく」見せてしまうために、語る本人でさえその限定的な正しさを全面的な正しさと混同してしまう。現状への提言でこの部分最適の狭さが発現する。それでも特定の軸での見方(戦争のロジック)を教えてくれる有用な本だ。 地理的な条件と技術的な条件の掛け算で、戦闘が起こる地点や戦略が決まってくる。地理は固定でも技術が変化する。それで「戦略的に重要な地点」や「戦争が起きやすい地点」は昔も今もそれほど変わりがなくても、飛行機が飛べる