ヘルムート・レゼン(左、79)とカロリーネ・ゾンマーフェルト(42)夫妻。ともにドイツ出身の作家。夫の政治思想は左派で妻は右派 男は女を「人種差別主義者」と罵倒し、妻は夫を「マゾの国家主義者」と非難する──だが、思想的にまったく相容れないこの2人は、20年連れ添った仲睦まじい夫婦でもある。 「お互い言いたいことを言いながら、相手の話も聞く」という彼らの姿勢は、結婚生活を良好に保つだけでなく、安定を欠いた国際社会にも必要不可欠なものだと米紙は指摘する。 妻の好きな「民族同一性」という言葉は、夫には「排斥」にしか聞こえない。 夫の好きな「多様性」という言葉は、妻の耳には「イスラム化」と聞こえる。 夫は妻を、歴史を忘れていると非難する。それに対して妻は、歴史に囚われすぎていると言い返す。2016年、トランプが米大統領選に勝利したとき、妻はシャンパンで祝杯をあげた。 「君は人種差別主義者だ!」 「