脳科学を切り口に、男女の考え方や感じ方の違いを学ぶ企業研修が広がっている。女性社員が増える中、男性上司と女性部下の関係作りに生かそうという動きだ。ただ、脳には個人差があり、男性、女性と単純化できない点も当然ある。うのみにせず、コミュニケーションのヒントの一つととらえたい。 「プロとして仕事を遂行する上で男女差はないが、実は脳の違いから、感じ方や好みの対話などが異なるんです」と講師の吉居理奈子さんが話すと、企業の人事担当らの受講者15人がうなずいた。 8月上旬、企業研修などを手がけるテンプスタッフラーニングが開いた、「男女脳差理解によるダイバーシティ・コミュニケーション」と題する公開講座。その内容は、人工知能を研究してきた黒川伊保子さんと同社が共同開発したプログラムに基づく。 吉居さんによると、右脳は「感じる領域」、左脳は「言語領域」をつかさどる。女性型の脳は左右の脳をつなぐ神経の連絡