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  • 「受胎小説」の引力――『ハンチバック』論 文學界9月号 | 菊間 晴子 | コラム・エッセイ

    「文學界 9月号」(文藝春秋 編) 冒頭の〈ハプバ記事〉に面らい、息をつかせぬその後の展開と筆致にぐいぐいと引き込まれ、作を一気に読み終えた時、これはまさしく「受胎小説」だったのだ、という驚きに心身が慄いた。作の語り手である釈華、そして紗花という二人の女性は、ともに受胎を夢見る――しかも、出産や育児という未来を想定しない受胎を。彼女たちの欲望が、小説の構成そのものと共鳴するかたちで読者を捉える時、暴力的なまでの強度を有した読書体験が生まれる。 体感としての〈健常者優位主義(マチズモ)〉 第一二八回文學界新人賞、第一六九回芥川賞受賞作『ハンチバック』は、著者である市川沙央が、釈華と同じ筋疾患先天性ミオパチーの当事者であることも大きな話題となった。しかし、障害当事者の声を率直に綴っているとか、健常者のまなざしからは取りこぼされてしまう差別構造をあぶり出しているとか、そういったありふれた定

    「受胎小説」の引力――『ハンチバック』論 文學界9月号 | 菊間 晴子 | コラム・エッセイ
    im_asuka
    im_asuka 2023/08/17
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