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電車の中吊り、雑誌や新聞の紙面、テレビCM、Web、一日の生活でサプリメントの広告を目にしないことのほうが難しい。それもそのはず、市場規模は世界で1000億ドル(国内の2014年度コンビニ市場が約10兆円)を越え、2020年には2000億ドルに近づくと予測されている。れっきとした成長産業だ。 いったいサプリ産業はどのような手立てをつかって、現在の地位を築いていったのだろうか。本書の舞台であるアメリカでの政府、メディア、医薬品業界を巻き込んだ紆余曲折の物語は、1800年代にさかのぼる。 当時、薬の行商人は薬を欲しがる人たちには、何を言っても構わなかった。お客が信じたいと思っている限り販売に規制がない無法地帯だった。しかし、その状況を憂いていた一人のジャーナリストが薬のサンプルを化学者に送り、成分分析を依頼した。その結果はあまりにも杜撰なもので、誌上で「偉大なるアメリカのぺてん」という連載に仕
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