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ブックマーク / masanork.hateblo.jp (83)

  • 下流志向の私 - 雑種路線でいこう

    最近「何をやりたいの」とか聞かれるとさっぱり答えられない.今やっている仕事にそこそこ満足しているが,あと20年とか30年も続けることではない気がする.これまで何となく興味を持てることを探して,転職も社内異動も自分から能動的にこなしてきたけれども,そろそろ落ち着きどころを決めないと,段々と潰しがきかなくなりそうとか焦りもある. どの仕事も1年くらいで嫌になったり先がみえたりして退いたから,気がつくとたかだか10年の社会人生活で職務経歴書が2ページでは収まらなくなっているけれども,この3年くらい似たような仕事をしている.バタバタ働いて個々の局面で結果は出せた気もするけれども,じゃあ一言で何をやったのかといわれても答えにくい. システム構築から離れた時点で覚悟していたことだが,あれをつくりました,これをつくりましたというのは分り易くてよい.調整とか折衝という仕事は,まあ結果的に世の中が複数均衡あ

    下流志向の私 - 雑種路線でいこう
  • 情報大航海は大山鳴動して鼠一匹 - 雑種路線でいこう

    ベールに包まれていた情報大航海プロジェクトについて,徐々に情報が出始めている.当初のGoogle対抗とかいう勇ましい掛け声はどこへやら,苦労の跡の窺える内容だ. にしてもドコモも日航も当に必要なサービス開発なら10億くらいポンと投資できるのに.なぜ財政資金を投ずる必要があるのだろう.投資できるのに投資しないというのはリスクを負いたくないだけではないか.民間が負うことのできないリスクを政府が肩代わりして技術革新を加速するというのは国プロの王道だが,民間が負えるのに負わないリスクを政府に肩代わりさせるというのは似て非なる構図である. 日航はさておきドコモのやろうとしている位置情報を活用したリコメンデーション技術は,加入者の個人情報保護やコンテンツプロバイダに対する公平性確保などの観点で慎重に扱うべき点がいくつもある.役所にやるべきことがあるとすれば,いまどきWeb 2.0バブルで新興企業でさ

    情報大航海は大山鳴動して鼠一匹 - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2007/04/16
    「登場の予想される新たなサービスに対する消費者保護と公正な競争条件の確保へ向けて必要な論点整理と法制度整備ではないか.そういった議論をすっ飛ばして実証実験で既成事実を積み上げていく手法」
  • RimoはYoutubeよりもテレビ局を刺激する - 雑種路線でいこう

    Rimoをひとめみて,これはやられたと思った.Youtubeってカウチポテトできないから駄目じゃんと思っていた私からすると,Rimoは実に魅力的なサービスだ.Wiiを持ってないので試していないが,Wiiリモコンで操作できるのもいい. Wiiリモコンを使った動画ザッピングは,やたらボタンが多い上にパソコンの悪いところを全て引き継いでしまったテレビの双方向サービスが如何に的外れであったかを教えてくれる.テレビの商品企画とかTVポータルの関係者は,今からでも遅くないのでRimoの爪の垢を煎じて飲むべきではないか.まだ今なら間に合う. とはいえこれからRimoがどう発展するかとか,儲かるかと考えてみると,結構ハードルが高い.例えばアニメチャンネルで流れている「ナルト」とか,バラエティチャンネルで流れている「タモリ倶楽部」とか,著作権的にどうなのか.RimoはYoutubeのコンテンツを呼び出してい

    RimoはYoutubeよりもテレビ局を刺激する - 雑種路線でいこう
  • 若き日の信条 - 雑種路線でいこう

    土曜日は学部のゼミでお世話になった鈴木芳徳先生の最終講義に出た.「経済学と私―ケインズの方法的態度と経済学」と題し『若き日の信条』以降のケインズが限定合理性とか将来期待の概念を大きく取り入れた背景にヴィトゲンシュタインとの交遊や,ピエロ・スラッファの影響を推測する声もあり,この辺で近年欧州を中心に論文がいっぱい出ているといった話を先生の学究生活の想い出と絡めて語る機智に富んだ講義だった. いつも機智に富んだ受け答えをする先生だったが,学部のゼミでは一般教養に限りなく近い内容しか出てこないので,実は先生がアカデミックな内容で主観的に語るのをみたのは初めてだった.学部生時代,もうちょっと研究室に入り浸る道もあったのではないかという気もするが後の祭りである. 先生は証券市場論の講義を持たれており,ゼミも金融論がテーマだったので,てっきり金融論がご専門と思い込んでいたのだが,もともとバックグラウン

    若き日の信条 - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2007/02/05
    「ガバナンスや認知科学の面で解決すべき課題が山積」「そもそも投票というディシジョン・メーキングより,選択肢を磨き上げるポリシー・メーキングを電子化する動きとして,最近では総務省がSNSを」
  • 誰が次世代テレビを制するのか - 雑種路線でいこう

    中島氏がユーザーエクスペリエンスをサーバーではなくテレビ体に持たせる点について批判しているが,テレビ局とテレビセットメーカーと電話屋で決めれば,こういうアーキテクチャになるに決まっている.テレビ局はネットからのリビング参入を排除し今の電波にできるだけ近い世界をつくりたいと考えているし,セットメーカーはユーザー体験をメーカー毎のテレビの差別化要素と考えているし,電話屋はARPUさえ増えればいいのだから.伝送路が放送波かIP網かという違いしかない方が話が早い. ウェブ・サービス・ビジネスでリーダーシップをとっているAmazonGoogleが何をしているかを注意深く観察すれば、デバイスがネットに繋がってくると、ユーザー・インターフェイスはデバイスの顔ではなく、サービスの顔になってくることは、火を見るよりも明らかだ。「EPG・ECGのデータをメタデータとして取得して端末独自のUIでそれを表示さ

    誰が次世代テレビを制するのか - 雑種路線でいこう
  • 逃げ出さないための希望 - 雑種路線でいこう

    米国企業にいると自社に都合のいい政策提言を役所に取りあえず投げてみるというのは当たり前の仕事だし,逆に向こうから御用聞きにやってくるのが陶しいくらいで,山口氏のエントリを読んで,そうか日には商人の「分」なる美徳があったのかと新鮮だった.然るに商人が分を弁え,庶民も分を弁え,公僕も分を弁える予定調和的な世界というのは,言い換えれば美しい国の麗しき談合文化に他ならない. 企業には企業としてやるべきことがあり、やるべきでないことがある。問題意識は同意できる点も少なくないが、個人としてならともかく、企業経営者として語るなら、やはり「商人道」みたいなものからはずれないほうがいいと思う。 テレビの時代劇で水戸黄門や暴れん坊将軍の活躍をみて溜飲を下すとか,大岡裁きに喝采している間に,御上は常日頃から民草のことに思いを致し,商人は利権獲得や賄賂の収受に余念がないといった刷り込みが進むのだろうか.GHQ

    逃げ出さないための希望 - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2007/01/04
    「『希望の国、日本』は,経済界から政府に対するロビー活動ではあるが,企業が日本から逃げ出さずに済む条件として読むべきではないか」
  • 金子勇氏の有罪判決に驚く - 雑種路線でいこう

    Winny事件について想定の範囲内とはいえ不思議な判決が出た.これは日で著作物を扱うプラットフォーム技術には手を出すなということか. 司法と行政は独立しているべきだから経済官僚と裁判官をひっくるめて官僚と論ずることには抵抗を感じるが,いずれにせよ融通の利かない著作権法でフェアユースの概念もない日で,新しく面白いことを始めるにはカントリーリスクが大きすぎるよね,と.既に産業として成熟している検索を合法化するのに再来年までかかるなら,これから思いついた新しいアイデアに著作権法が追い付くには最低10年はかかるんじゃねーの. 現行法では、著作物の権利者に無断で検索用サーバーに著作物を保存したり、編集することは違法となる。このため、国内向けの検索サービス事業者もサーバー自体は海外に設置している。 アメリカでは、企業が行政の判断に不服なら、行政訴訟を起こして司法の場で最終判断が出るが、日ではお上

    金子勇氏の有罪判決に驚く - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/12/17
    「いずれにせよ融通の利かない著作権法でフェアユースの概念もない日本で,新しく面白いことを始めるにはカントリーリスクが大きすぎるよね,と.」
  • 雑種路線でいこう

    そういえば昔,そんな議論があったな.韓国はサムソン以外が潰れて技術者が野に下り成功したといわれているが,日ではどうだろう.実は不況だった3年ほど前,経済産業省にはITゼネコンの一角を潰す機会があったと聞く.一時は機構送りも囁かれていたが,いつの間にか立ち消えとなったらしい. 小説『バイアウト』では,大手コンピュータ・メーカが実際のバランスシートででは債務超過に陥っているものの,特機事業部がミリ波レーダーなどITSなど民需に転用できる軍事技術を握っており,その流出を防ぐべく政府が支えるという筋書きになっていた.創作なのか元ネタがあったかは知らない. 大きすぎて潰せなかっただけかも知れないし,同書のような深い裏事情があったのかも知れない.景気の回復した今となっては儲かっているようだし,最悪の地合いで過小評価されていた時期に二束三文で外資に売っぱらうよりは,嘘をついてでも支えたことは結果オーラ

    雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/12/17
    「新興市場整備やストックオプション規制の緩和とかをやったけれども,目立って伸したのはITベンチャーの衣をまとった金融会社ばかり.日本では大企業を残しておかないと中身のある技術開発が進まない」
  • 課題は50年か70年かではなく死蔵と永久延長ではないか - 雑種路線でいこう

    「著作権保護期間の延長問題を考える国民会議」に行ってきた.シンポジウムの概要は報道されるだろうから詳述しない.議論を通じて感じたのは実は賛成・反対ともに50年か70年かという点に関して確固たる根拠がある訳ではなく,要はコンテンツの利活用促進と保護強化とで,どちらに重心を置くかという議論なのだろう. 噛み合っていない議論には不満もあったが,こういった平場に延長賛成派の方がご参加いただけただけでも画期的ではないか.三田誠広氏が文藝家協会として作家の死後50年未満であっても絶版した青空文庫に収録できるよう,パブリックドメイン化を希望する権利者について仲介するという提案をされたことが興味深かった.青空文庫から著作権の切れていない作品がリリースされるようになれば,かなりエポックメイキングな出来事という気がする.*1 議論を聞いていて不満だったのは,延長賛成派は報酬請求権による遺族の生活保障の議論

    課題は50年か70年かではなく死蔵と永久延長ではないか - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/12/17
    「噛み合っていない議論には不満もあったが,こういった平場に延長賛成派の方がご参加いただけただけでも画期的」
  • 雑種路線でいこう - Web2.0を疑え

    (このエントリは近日中に予定されている講演の草稿です.事実関係や認識に誤りを見つけた方は,是非コメント欄や電子メール宛で指摘いただけましたら幸いです) この場の目的のひとつは,これからのIT産業がどうなっていくかという点について方向性を探り,どのような新しい市場が生まれる可能性があるかを洗い出すことと理解しております.しかし,そもそも未来を予測することは難しいのであります.1947年,IBMのThomas Watson Jr.は「世界には5台近くコンピュータ需要があるだろう」と宣いました.ミニコンで一世を風靡したDECのKen OlsonはApple ][の発売された1977年に「家庭がコンピュータを必要とするとはとても思えない」と述べています.1981年にMS-DOSを発表したBill Gatesは「将来的にもパソコンのメモリは640KBもあれば充分だ」といいました.彼がこの発言をした当

    雑種路線でいこう - Web2.0を疑え
  • 雑種路線的イノベーション政策試案 - 雑種路線でいこう

    経団連の御手洗会長が「イノベート・ジャパン」とかいってみたり*1,安部政権でもイノベーションを推進するという.こんなページまでできているし,なかなか気合いが入っているようだ.わたしは政府がイノベーションを促すことは素晴らしいと歓迎する一方で,安直なイノベーション(による生産性の向上)に対する期待が,少子高齢化や財政再建といった政策課題を放置するための口実として使われることのないよう注視していく必要を感じている. 現実問題として,イノベーションとは民意を集約することで生まれるものではない.消費者ニーズがイノベーションを生むきっかけとなることもあるが,それでさえ,どの声を拾うか悩み,何かしらギャップを埋める創意工夫を思いつくのは創造的な個人や組織の企業家精神である.単純に政治的に集約された期待はイノベーションに結びつかないことが多いのではないか.トートロジーになるが,誰もが思いつくこと自体が新

    雑種路線的イノベーション政策試案 - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/11/08
    「安直なイノベーション(による生産性の向上)に対する期待が,少子高齢化や財政再建といった政策課題を放置するための口実として使われることのないよう注視していく必要」
  • 著作権の保護期間なんて20年で充分 - 雑種路線でいこう

    特許と同じ20年でも充分に長い気がするんだけどな.このblogはCreative Commonsで書いてるし,だいたい僕は20年も通用するものを書いたことがないんで,この問題に対して発言する資格があるか分からないけど. それにしても「日の作家は20年分の権利をはく奪されており、創作意欲の減退につながる」なんて,内発的な創作意欲じゃなくカネ目当てで作品を書いてますと公言しているようなもので,筆を折ったところで担当編集者くらいしか困らないんじゃないか.実際のところ三田誠広の作品が50年後も絶版せずに残っているとも思えないし. 最近だと坂口安吾のように,50年も時代を超えて読み継がれた作品なら公共財として共有された方がいいし,権利が守られていれば絶版となって忘れ去られても,著作権フリーになって青空文庫にでも収録されて何十年後かに検索で引っかかって再評価されることだってあるかも知れない. 単に貪

    著作権の保護期間なんて20年で充分 - 雑種路線でいこう
  • 技術大国日本を育み押しつぶした国家総動員体制の亡霊 - 雑種路線でいこう

    歴史さえ尊重していれば非論理的で献身的な技術者が大切にされ技術は継承されて,日立製作所のタービン設計ミスのようなチョンボは防げたのだろうか.このようなid:essa氏の視点こそ微視的で,歴史を踏まえていないように感ぜられる. 戦後の日は戦前の軍需産業の遺産を継承し,裁量的な行政を通じて経済効果の高い産業に資源を集中投下し,役所が企業間の情報を適度に媒介することで,過当競争による情報の縦割りを緩和することを通じて全体を底上げするかたちで成長してきた. 戦後の開発主義は国家総動員体制を温存するかたちでGHQ支配下の傾斜生産方式にはじまり,超LSIプロジェクトでその頂点を極め,予算削減でジリ貧となりつつも,手法としては最近の愛知万博前後のロボット振興や,来年度予算で概算要求された情報大航海にも通底している. 真似すべき相手が明確だった1970年代まで,この手法は極めて有効だった.技術者を量産し

    技術大国日本を育み押しつぶした国家総動員体制の亡霊 - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/09/20
    「もし歴史というものを尊重し,心ある技術者が報われる新たな技術大国日本を構想しようとするのであれば,連綿と続く国家総動員体制の亡霊こそ克服すべきだ.」
  • 「日本への執着」が日本のソフトを弱くする - 雑種路線でいこう

    宋文洲氏は日のソフトウェア技術者の卑屈な「日人特殊論」こそ日に於けるパッケージソフトが流行らない理由と論じているが,これはミスリードも甚だしい.IBMが独禁法の排除勧告を受けてハード・ソフト分離を行って以来30年有余年の歴史を持つソフトウェア産業振興の議論を蒸し返し,ちょっとした補助金を受け取ろうという魂胆なら却って芳ばしい時代錯誤かも知れないけど. 確かにパッケージソフトウェアが入りにくいことは日のエンタープライズ市場の際だった特徴だが,これは宋氏の論ずるパッケージソフト・ベンダの怠慢より,長らく閉鎖的だった資市場やユーザー企業の問題である.土地や機械といった実物資産を担保にしか資金を借りられず,株式会社をつくるのに一千万円もの資が必要だったから,多くの零細ソフトハウスがリスクを取れず人月商売に精を出した.80年代,90年代を通じて生まれたなんちゃってパッケージ業務ソフトの多

    「日本への執着」が日本のソフトを弱くする - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/08/22
    「論ずべきは日本特殊論より米国特殊論であって,「対米コンプレックス」の裏返しとしての「日本特殊論」だからこそ「パッケージソフトを使わないユーザー企業はおかしい」という合理的な議論」
  • イノベーション・バトン - 雑種路線でいこう

    最近イノベーティブ社会基盤フォーラムという研究会を準備し,有志で集まってイノベーションについて議論し始めたのですが,話しているとコンテクストによってイノベーションというコトバの意味が違っていたり.これは定義を固める前に色々な見方を出し合った方がいいという話になってイノベーション・バトンを回すことに. イノベーションって何 新しくて周囲に影響を与えたり広まったプロダクト・プロセス・コンセプトとか.実際のところ,商業的に成功した製品・サービスと,イノベーションを育む環境と,好事家に影響を与えるアイデアと,それぞれに別の仕掛けがあるにも関わらず,成功した製品・サービスばかりに着目してミスリードしている人々が多い気がする. イノベーションを生む要因 責任の求められるあぶく銭.あと,必要は発明の母とか.必要なアイデアが身内からは出てこない状況で,アイデアによって状況が好転するときに,環境を揺さぶった

    イノベーション・バトン - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/08/22
    「話しているとコンテクストによってイノベーションというコトバの意味が違っていたり.これは定義を固める前に色々な見方を出し合った方がいいという話になって」
  • 雑種路線でいこう - 競争を前提に「弱者」を語るモヒカン達に生活はあるか

    僕はいま出張中で「ワーキング・プア」という番組をみていないので,ひょっとしたら外しているかも知れない.しかし下の文章を読んだときは,Train-Trainの「弱い者達が夕暮れ、さらに弱いものを叩く」というフレーズが脳裏でヘビーループしてしまった.たまたま所得が低い奴を弱者と決めつけるのは噴飯ものだし,だいたい他人の人生を勝手に「戦い」にしないでおくれよそこのナイーヴな受験秀才クン. 複雑な現実社会における戦いというのは、何百万種類ものカードがあるカードゲームみたいなもので、才能や環境というのは、その手持ちのカードだ。(略)ほとんどの弱者は、自分の手持ちのカードの悪さを嘆くばかりで、アンテナを張ろうともしないし、より強力なカードの組み合わせを工夫したりもしない。(略)少々手札が悪いくらいで、弱者を救済しろ云々というヤツには、それこそ「神経を疑う」という言葉を、そのまま返してやるぜ。 10代後

    雑種路線でいこう - 競争を前提に「弱者」を語るモヒカン達に生活はあるか
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/07/28
    「モヒカン達のしきりに強調する競争とは何だろうか」「労働市場に於ける競争の多くは,キャリア形成プロセスにしても採用プロセスにしても偶有的だ」「ルールを決めている奴がいて,群衆を操作するためにやる」
  • キャバクラ系の本とか - 雑種路線でいこう

    立て続けにキャバクラのを2冊も読んだ.どっちも面白く一気に読んだ.ここ数年ドラマでもお水系がいくつかあったようだし,ちょっとは景気が良くなった証拠か.どっちもお水で立身出世ものだけど,桂望実の方が健康的でハッピーエンドかな.けど新堂冬樹のドス黒いエネルギーと緻密な取材力も捨てがたい. キャバクラとか銀座のクラブとか,5年くらい前に神田で金融SEをやっていた頃は客先の社長によく連れて行かれたし,前のボスも時々六木のお店に連れて行ってくれたのだが,このところとんとご無沙汰している.キャバクラはうるさいし,クラブは気を遣うので却って疲れる.妄想したほど知的な会話とかもないし.新宿ゴールデン街とか地元のバーでクダ巻いていた方が楽しい. 『黒い太陽』で,若い男性は女性と接したり恋愛する機会もあるので,同じお金があったら番系の風俗に行く.キャバクラに行くのは疑似恋愛したい中年以上,というようなこ

    キャバクラ系の本とか - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/07/28
    ライアカに言及ありがとうございます。
  • ITエンジニアの拝金主義を笑うな - 雑種路線でいこう

    IT技術者の転職希望先が豆蔵を除くと有名どころ,外資系を中心に並んでいて,転職先を選ぶ基準は断然「賃金」で,はぁそうですかという感じだが,僕も数年前に次男が産まれ,伸びない給与に嫌気が差して外資系を実力主義と憧れて転職をした者として,まぁそんなものかなと思う.微妙に気になるのは,僕は転職するときにはイメージ先行ではなく,その会社と何ヶ月とか何年も付き合ってから悩むのであるが,このアンケートに答えた人々はもっとイメージ先行で,転職してから「こんなはずじゃなかった」と感じることが多いかも知れないなということとか,余計なお世話だが. とはいえ1,000人弱を対象にしたアンケートで1位が36票,同率2位が18票だから立派なロングテールで,196社全部を眺めると,きっと総じてみんな渋く光った選択眼を働かせているんだろうなという気もする.転職先を選ぶ基準で給与が1位に挙っているのは,多くのITエンジニ

    ITエンジニアの拝金主義を笑うな - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/07/20
    「IT業界は不足が解消される程度に技術者に給与を弾むか,もっと仕事の生産性を上げて今の頭数でもエンジニアが足りている状態まで持っていくべきなのだろう」
  • 凡人が万馬券ばかり買って競馬場を去る社会 - 雑種路線でいこう

    例によってモヤモヤした気持ちでエントリを書いていたら弾さんから質を突いたTBがきた.専門分化による二極化という分析には賛成だけど,それほど専門性の高くない若年層に於けるニートやフリーター増加ついては,まだやることがあるんじゃないかな. 確かに専門性の細分化によって再チャレンジのハードルが高くなったことはホワイトカラー上層の過労や需給ミスマッチの大きな原因であろうし,持とうとするもの・持とうとしないものによる格差と割り切れば,格差社会も悪いとはいい切れないのかも知れない. けれども実際のところ,持とうとするか否か自体が経路依存的であり,これを先験的に扱うことに危険を感じる.つまり,多くのヒトは最初から持とうとしない者ではなかったのかも知れない.推察するに日がこれまで豊かであったのは,身の丈に合わせた「持とうとする」欲望を再帰的に喚起する仕掛けが働いていたからではないか.例えば「いつかはク

    凡人が万馬券ばかり買って競馬場を去る社会 - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/06/06
    「多くのヒトは最初から持とうとしない者ではなかったのかも知れない」「叱られずに摩擦は少なく,一方で先の見えない自己実現を渇望し,何となく世間と噛み合わずに生きている」
  • 登山口に辿り着けるかと山を登れるかは別問題 - 雑種路線でいこう

    ぼくは小学校の徒競走に始まって,受験戦争であれ,就職活動であれ,僕は横並びの競争が苦手だ.ただ早い段階で,自分の欲望には様々な満たし方があり,世の中にはいろいろな世界があるのだ,ということを早く知れたことは良かったと思っている. 思い返すと恥ずかしいことだが,小学校の卒業文集には弁護士になりたいと書いた.口達者が役に立つ仕事を他に知らなかったのである.中学・高校の頃は新聞社に入りたかった.イデオロギー不在の90年代,新聞社の中ではコトバにいちばん軸と張りがある気がした.新聞記者になりたいという僕に学校の先生は新聞研のある東大か,マスコミに強い早稲田に行くといいという進路指導をしたが,あそこで先生のいう通り奮起していたら,新聞社に入れていただろうか.それが自分にとって幸せだっただろうか. 前のエントリで僕はトレーダーになりたいと無邪気にいった同じゼミの学生のことを批判的に書いたけれども,それ

    登山口に辿り着けるかと山を登れるかは別問題 - 雑種路線でいこう
    inflorescencia
    inflorescencia 2006/06/06
    「他に自分の内発的満足感と結びつく仕事を知らない」「誰だって最初は「自分が何をやったら幸せか」について無知なのである.そんな無知な状況で,新卒という極めて画一的なときに一律的な選抜を行う」