真因の追求や意識の共有に役立つ問題の掘り下げ力。重要性を認識していても、実際に現場の問題を深く掘り下げる作業は決して簡単ではない。身近な問題に「なぜなぜ5回」を試してみれば分かる。なぜを2~3回繰り返したあたりから、さらに掘り下げることが格段に難しくなるはずだ。 このため、問題が発生した際に「深く掘り下げろ」とリーダーが発破をかけても、実践する機会に乏しい従業員は腰が引ける。基本的な手法を学んでもらい、普段の業務に適用する習慣が根付いて初めて、現場の掘り下げ力が底上げされる。 掘り下げ力の強化という課題に巧みに取り組んで、現場の改善活動を活性化してきた企業がある。三菱ケミカルホールディングスの事業会社、三菱樹脂(東京都中央区)の生産子会社である菱琵テクノ(滋賀県虎姫町)だ。 疑問の分析を助けるシートを従業員が常備 菱琵テクノは2000年に「DDK(誰でもできる化」活動」と呼ぶ、トヨタ生産方