JPCERT/CCは、マルウエアや攻撃に使用されるツールなど「アーティファクト」と呼ばれるものの体系的な収集と分析および対策技術の研究のために2006年に分析センターを開設しました。分析依頼とともに受け取ったマルウエアや、インシデント対応の中で収集したマルウエアを調査することによって、挙動や構造を解析し、どんなシステムにどんな被害を及ぼすのか、そしてそれを防ぐにはどのような対策が有効かを明らかにして、効果的なインシデント対応を可能にしています マルウエアの分析によって得られた情報や知見、および個別の事案に直結した調査結果は、悪用される危険や機微な情報を含むことがあるため、開示が憚られることが少なくありません。しかし、開示が可能な限られた情報の中にも、マルウエアアナリストや情報セキュリティの専門家の皆様と共有することによって、背後にあるもの、あるいは、より大局的な動向が見えてくる可能性を期待