(前回から読む) 世界中の人は、日本がクリエイティブだと思っている。でも、日本企業の多くは、どこか自信を失っているように見える。その原因は何なのか? 世界的なデザイン・コンサルティング会社IDEO Tokyoの代表であるダヴィデ・アニェッリ氏と、同じくIDEO Tokyoのリードビジネスデザイナーである野々村健一氏に、早稲田大学ビジネススクール准教授の入山章栄氏が聞いた。 ダヴィデ:先日、日本の大手メーカーに長年勤めている人に聞いた話が、日本企業の問題を象徴していると感じました。 その会社は、1980年代前後にコンサルタントや学者が提唱していた「組織のサイロ化」を進めたそうです。それまでは組織の中に垣根がなく、マーケティング、研究開発、製品開発、ブランディングなどが1チームとして機能していた。そこへ、「部門を分割して効率を上げましょう」という方針で会社をどんどんサイロ化した結果、もちろん、