中国の明日は誰も予測できない。中国の政治、経済と社会に関する予測は、街頭の占い師の占いと大差はない。なぜなら中国人の本音はまったく見えてこないからである。中国共産党幹部の多くは私的な対話では民主化を支持するというが、公の場では一党独裁の支持を強調する。 北京で「中国共産党第18期中央委員会第4回全体会議」(四中全会)が開かれ、法治の強化が決議されたと言われている。しかし張思之氏は、中国社会の法治は明らかに後退していると指摘する。張氏はかつて毛沢東夫人の江青女史の裁判で弁護を務めた著名な弁護士である。 中国社会で自由、民主と人権といった「普世価値」(世の中の普遍的価値)はすでにコンセンサスになっている。しかし、こうした普世価値は「共産党の指導体制を脅かす」として公の場では論ずることが許されない。自由、民主、人権でさえタブーとされるならば、どのようにして法治を強化するというのだろうか。 「お金