イタリアでは労働許可や市民権の取得が厳しく制限されるなど、幾つもの要因が重なり、外国人労働者はいくら能力が高くても、良い職に就くことが非常に難しい。写真はミラノにあるレストランのキッチンで働く移民。4月26日撮影(2023年 ロイター/Claudia Greco) [28日 ロイター] - フィリピンで長年、高校の数学教師を務めたマリリン・ネーバーさん(49)は14年前、イタリアに移住してきた。ガリレオやフィボナッチを生んだこの国で、腕に磨きをかけたいとの希望を胸に──。
人口減少の日本と増収を望むベトナム 日本の昨年の新生児は94万人、人口の自然減は40万人以上。出生率の回復は見込めず、再来年の20年には416万人の労働者が不足するという試算もある。企業や政府はその不足を外国人で埋めようとし、今や日本で働く外国人は128万人に達した。なかでも技能実習生と留学生がその4割を占め、中国人に代わってベトナム人が急増している。 だが、外国人を受け入れる制度や法律、そして我々の社会はまだまだ熟れておらず、個々のケースでは人権問題に、総じては社会問題になりつつある。賃金の不払い、超過勤務、旅券の取上げ、パワハラ・セクハラ、強制帰国、保証金の徴収、アジア人蔑視・差別。そうした問題が起こるのは、ひとえに彼らの本国での暮らしぶり、思い、そして、来日のために抱えた多額の借金、そうした背景を理解していないか、見て見ないフリをしているからだ。 写真:近年は台湾や韓国へ嫁ぐ女性が多
先日、新潮ドキュメント賞が発表され、ブレイディみかこさんの『子どもたちの階級闘争 ブロークン・ブリテンの無料託児所から』(みすず書房)の受賞が決定した。この作品を高く評価するのが、文藝春秋で数々の名ノンフィクション作品を送りだしてきた下山 進さん。本作の魅力がどういうところにあるのか、特別に寄稿いただいた。(HONZ編集部) 新潮ドキュメント賞を受賞したブレイディみかこ 『子どもたちの階級闘争』を読んだ。素晴らしかった。 300ページで定価2592円って、どれだけ部数を絞ってるんだ? と最初腹立たしく思ったが、読んでみて、このクオリティだったらまったく惜しくない。 1996年にクールな英国に憧れて渡英した筆者は保育士だ。 託児所の日常が描かれるのだが、ここで凄いのは、その日常を子どもたちやその母親、そして保育士たちの世界のドラマで読ませつつ、英国の政治そのもの、のみならず世界のあちこちで起
浅田 彰(あさだ・あきら) 1957年、神戸市生まれ。 京都造形芸術大学大学院学術研究センター所長。 同大で芸術哲学を講ずる一方、政治、経済、社会、また文学、映画、演劇、舞踊、音楽、美術、建築など、芸術諸分野においても多角的・多面的な批評活動を展開する。 著書に『構造と力』(勁草書房)、『逃走論』『ヘルメスの音楽』(以上、筑摩書房)、『映画の世紀末』(新潮社)、対談集に『「歴史の終わり」を超えて』(中公文庫)、『20世紀文化の臨界』(青土社)などがある。 最新のエントリー 19.05.01 昭和の終わり、平成の終わり 19.03.29 原美術館のドリス・ファン・ノーテン 19.03.07 マックイーンとマルジェラ――ファッション・ビジネスの大波の中で 18.12.07 映画のラスト・エンペラー――ベルナルド・ベルトルッチ追悼 18.11.03 トランプから/トランプへ(5)マクロンとトラン
At a distance of 20 years, it’s now easy to forget that 1995 was one of the darkest and strangest years in recent French history. In the UK, it had been an exceptionally warm summer, and for a brief moment the whole nation seemed to bask in the sunshine glow of Britpop – culminating in the daft battle between Blur and Oasis for the No 1 spot in the singles chart in mid-August. In France, however,
On Wednesday Australia said it would accept an extra 12,000 Syrian and Iraqi refugees, on top of its existing humanitarian intake of 13,750. The Venezuelan president, Nicolás Maduro, said his country would accept 20,000 Syrians who were “welcome to share this land of peace and contribute to our country’s development”. Japan, however, said that although Tokyo was “cooperating” with its internationa
ここのところ、英国で朝から晩まで流れているのは移民および難民危機のニュースである。 トルコの浜辺に打ち上げられた3歳の少年の遺体の画像が大きな話題になり、1973年にピューリツァー賞を獲ったベトナム戦争で逃げまとう少女の写真「戦争の恐怖」と比較され、21世紀版の「世界を変える画像」などと言われている。 このマグニチュードを鑑みて、キャメロン首相も態度をやや軟化し「難民をもっと受け入れます」(数千人だけど)みたいなことを言っているが、メディアの大騒ぎは別にして、街角では「ガンガン難民を受け入れろ」みたいなことを言っている人は少数派に思える。 わたしの居住するブライトンが輩出したみどりの党MP(国会議員)キャロライン・ルーカスが、ガーディアン紙に「英国はキャメロン首相の提案より遥かに多い数の難民を受け入れるべき」という彼女らしい記事を書いたが、わたしが興味を覚えたのは、記事そのものよりも、読者
目の前に置かれた現金約10万円から、社長が約4万円を住居費などの名目でとっていった。日本での就職を仲介してくれたバングラデシュ人が、後日5万円を抜くと、手元に残るのは月1万円だけだった。 「月16万円ほどは稼げる」と聞き、バングラデシュ人の元外国人技能実習生のベガム・ラベアさん(26)が来日したのは2011年秋。長崎県内の縫製工場で、中国人の実習生ら20人ほどと一緒に働いた。 ラベアさんによると、彼女たちは、時には未明までミシンがけなどに追われた。休みは月2~3日。月400時間以上働き、残業は月200時間を超えた。1万円の手取りを時給に換算すると「25円」以下だった。工場と同じ敷地内の寮の1部屋に実習生10人と寝泊まりし、外出にも許可が必要だった。近所の農家にもらった野菜を食べた。 12年8月、職場への不満を訴えると、帰国させられそうになった。ラベアさんは福岡空港の搭乗口で泣きじゃくり、飛
1879年、およそ四百五十年に渡り続いた琉球王国は日本に併合(「琉球処分」)され滅亡した。滅亡後の琉球=沖縄は明治政府の支配下で伝統的共同体の崩壊と社会基盤の弱体化を招き、移民が認められた1900年代以降、大量の海外移民が送り出されていった。1940年の統計では海外移民のうち沖縄出身者は五万七千人、数だけなら広島・熊本に次ぐ三位だが、県の人口比では広島3.88%、熊本4.78%に対し沖縄9.97%でとびぬけて多い。全国平均で100人に一人が移民となったが、沖縄は10人に一人の割合であり、1920年代以降沖縄県出身移民は全国の移民の約20%前後を占めた。その中でもハワイへの移民が非常に多い。 本書は著者が1970~80年代に行った、まだ存命の頃のハワイ移民一世~二世への聞き取り調査の記録と、琉球王国の滅亡から二十世紀初頭までの移民を押し出す要因となった社会的背景について描いた一冊である。 本
海外で注目されているニュースなのに、なぜか日本では取り上げられないニュースがある。軽視されているのか、なんらかの理由で無視されているのか。あるいは特段の理由はなく、単に意味を読み取るが難しいだけなのか。理由は単一ではないだろうが、そういうニュースがあればできるだけ、ブログで拾うようにしている。このところのニュースでは、フランスでロマの女学生が学校で拘束され強制送還された事件が半ば日本では無視されていた。 日本でまったく報道されなかったわけではない。だが、時系列を整理して、日本での着目度や、何に着目した報道だったかを検討してみると興味深い。 この種類のニュースで日本語で報道されることが多いのは、AFPによるものだ。今回も17日に報道があった。「15歳ロマの少女を学校行事中に拘束・送還、仏閣内に亀裂」(参照)である。 【10月17日 AFP】フランスで、ロマ民族の15歳の少女が校外での学校行事
イスラエルはアフリカ諸国からの不法移民が押し寄せる移民大国。貧困国からの経済難民や母国での政治的抑圧を逃れてきた亡命者など、およそ6万人ものアフリカ系移民が暮らしている。 だが、彼らの存在はイスラエル社会にとって頭痛のタネ。犯罪の増加や社会の不安定化の元凶だとして、アフリカ系移民に対する市民の反感は爆発寸前に高まっている。 亡命希望者は砂漠の真ん中に収容 ベンジャミン・ネタニヤフ首相は6月3日、エチオピアやガーナ、コートジボアール、南スーダンなどから来た不法移民2万5000人を迅速に国外追放するよう指示。さらにエリトリア、ソマリア、スーダンからの亡命希望者の収容施設を砂漠の真ん中に建設するよう命じた。ネタニヤフは「(国外)に送還できる人は全員、できるだけ早くそうすべきだ」と閣僚らに語ったと伝えられる。 英BBCは、不法移民を射殺すべきだと訴える年配のイスラエル人男性や、アフリカ系移民による
2012/1/169:46 震災後の日本社会と若者(1) 小熊英二×古市憲寿 古市憲寿著『絶望の国の幸福な若者たち』(講談社)刊行記念イベント ―― 小熊英二・古市憲寿対談 / 2011年11月18日東京堂書店(構成 / 宮崎直子・シノドス編集部) 「3.11で社会は変わった」という言説に根本的な疑問を投げかけ、震災後の若者たちの反応は「想定内」だった、と喝破した若き社会学者・古市憲寿さん。人は自分がリアルタイムで経験した事件を過大評価しがちである、と指摘する小熊英二さん。この両者が古市さんの新刊『絶望の国の幸福な若者たち』で提示された「震災後」の論点に検討を加え、「本当に震災後に日本社会は変わったのか」改めて語ります。はたして今、研究者は何ができるのか——。(東京堂書店HPより) 絶望の国の幸福な若者たち 著者:古市 憲寿 販売元:講談社 (2011-09-06) 販売元:Amazo
ABJマークは、この電子書店・電子書籍配信サービスが、著作権者からコンテンツ使用許諾を得た正規版配信サービスであることを示す登録商標(登録番号 第6091713号)です。ABJマークの詳細、ABJマークを掲示しているサービスの一覧はこちら。 https://aebs.or.jp/新しいウィンドウで開く
8月22日(月)の朝から、東日本入管センター(茨城県牛久市)の収容者たちがハンガーストライキをおこなっています。ハンストに参加しているのは、同センター7Aブロックの収容者全員、合計で33人です。参加者の国籍は13国、その内訳は、スリランカ6名、ペルー6名、フィリピン5名、イラン4名、トルコ3名、タイ2名、モンゴル、ブラジル、バングラデシュ、カンボジア、中国、ベトナム、香港各1名です。 これまでも、各地の入管収容施設では、入管側の人権をかえりみない不当なあつかいにたいし、収容者たちがハンストによって抗議することはありました。しかし、ブロックの全員が参加してのハンストというのは、きわめて異例のことです。それだけに、今回のハンスト参加者たちの怒りの強さを想像せずにはいられません。 先日このブログでおしらせしたとおり、7Aブロックでは、8月上旬に法務省と東日本入管センター所長あてに連名で「嘆願書」
「移民は日本の文化を壊すのではないかな。やはり、移民を受け入れずに女性などの有効活用で図るべきだよ」 日本の未来を考える際に、こうした話題になることも多いと思います。ただ、ここで1つ気になる前提があります。「移民は喜んでいつでも日本に来てくれる」ということです。本当でしょうか? 筆者とビジネススクールでともに勉強をした日系ブラジル人で、工学博士号を取得しているケン・ワカバヤシさんは次のように言います。 「日本に移住し技術力もある日本企業で働くことも考えたが、移民に対して冷たい日本よりも、積極的に移民を受け入れようとしている米国で働く選択をした」 また、中国から日本に来て東京大学で修士号を取得して精密機械大手企業で働いていたTさんは次の言葉を残して日本を離れていきました。 「日本に住んでいると放射能汚染も怖いし、給料も日本より高いので、香港の研究所に行く」 これが技能のある移民の現状です。
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く