紹介 亡くなった人は海の彼方にある他界へと舟にのり旅立つ……そんな日本列島に深く刻み込まれたイメージそのままに、丸木舟に亡骸を埋葬した痕跡が千葉県館山市の洞穴でみつかった。縄文時代の洞穴利用と古墳時代の舟葬墓の発掘調査から、海の民の他界観を追究する。 目次 第1章 海からのまなざし 1 「海の日本」と天鳥船 2 房総の海 第2章 海進と隆起のはざまで 1 安房の海が動く─海進・海退─ 2 安房の陸が動く─隆起・沈降─ 第3章 房総半島の洞穴に太古を求めて 1 洞穴遺跡調査の歴史 2 海食洞穴遺跡 第4章 大寺山洞穴の縄紋人 1 大寺山洞穴の位置と立地 2 大寺山洞穴遺跡を掘る 3 生活空間と埋葬空間の混在 4 漁労生活の前線基地 第5章 古墳時代の舟葬墓 1 舟棺の検出状況 2 華麗なる副葬品 3 海人族の首長墓 4 列島にひろがる洞穴墓 第6章 舟葬と海上他界 1 海上他界観 2 古典に