過酷で自由な世界 大阪市の北浜で育った父から買い出しの話をぽつぽつと聞いたことがある。 父の集団疎開中に空襲で家を失った一家は、戦後兵庫県尼崎市に移り住み、子供だった父も買い出し隊の一翼を担ったという。疎開の辛(つら)さのせいか、父の話からは解放感が伝わってきた。そして、「○○横丁」のような雑多な場所を思い浮かべた。 本書を読んで闇市の奥深さに驚いた。闇市は場所としての市場〈イチバ〉のみならず、より広い社会経済制度としての市場〈シジョウ〉だ。本書はそのような闇市の広がりに着目して選ばれた11編から成るアンソロジーである。将棋や落語が好きだという編者の解説も一つの闇市考として興味深い。 何よりも選ばれた一編一編が時代を経てなお色褪(あ)せることなく眼前に迫る。まずのめり込んだのが、鄭承博(チョンスンバク)「裸の捕虜」だ。朝鮮人の主人公が〈イチバ〉を超えて遠方に「買い出し」に行く。しかし、その
28日、東京大学で開かれた朴裕河教授の著書「帝国の慰安婦」に対する日本の知識人の討論会で参加者たちが意見を交わしている=東京/3・28集会実行委員会提供//ハンギョレ新聞社 擁護側 「韓日関係の打開策を模索している」 批判側「日本の責任は極度に最小化」 リベラルの知識人の間で緊張した空気 「結局、この本は、日本軍『慰安婦』問題に対する日本の責任を極度に最小化し、戦後日本が行ってきた努力を過大評価している。このようなイメージを求める日本のマスコミの欲望に問題がある」(チョン・ヨンファン明治学院大学教授) 28日午後1時30分、東京大学駒場キャンパスの国際交流ホールに張りつめた空気が漂った。この日、朴裕河(パクユハ)世宗大教授の“問題”著書「帝国の慰安婦」をめぐり、日本のリベラル勢力の中でも、同書の擁護論者と反対論者たちの間で討論会が開かれた。 韓国でも論争になったが、日本でも朴教授の著作をど
これは、2015年11月14日に開催されたマンガ研究フォーラム「マンガのナラトロジー ―マンガ研究における〈物語論(ナラトロジー)〉の意義と可能性」の後半のやりとりの採録データ(全3回)の第3回です。他の関連ファイルは、… Read more
詩人、評論家の鮎川信夫(1920~1986)は、詩誌「荒地」の思想的中心として、戦後の詩壇に大きな足跡を残しました。自らの戦争体験をもとに、現代社会を〈荒地〉として意識しながら、その克服をめざした鮎川の業績を見つめ直すことは、戦後70年を経た現在、大きな意味があります。 鮎川の没後30年を記念して開催する本展では、戦前の第1次「荒地」の同人で親友の森川義信にあてた鮎川の書簡など、当館の所蔵資料を中心に、鮎川の足跡を振り返ります。また、戦後の第2次「荒地」に拠った北村太郎、木原孝一、黒田三郎、田村隆一、中桐雅夫、三好豊一郎らの活動も紹介いたします。 ※同時開催=常設展「文学の森へ 神奈川と作家たち 第1部 夏目漱石から萩原朔太郎まで」→詳細 【会期】2016年(平成28)5月28日(土)~7月18日(月・祝) 休館日は月曜日(7月18日は開館) 【開館時間】午前9時30分~午後5時(入館は4
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く