2016年、米国大統領選挙に向けてドナルド・トランプ氏とヒラリー・クリントン氏が熱戦を繰り広げていたなか、民主党全国委員会(DNC)やクリントン陣営に対してサイバー攻撃が仕掛けられ、内部告発サイト「ウィキリークス」を通じて大量の機密メールや文書が流出した。 攻撃者として名乗り出たのは「グシファー2.0(Guccifer 2.0)」。同人物は、自称ルーマニア出身のハッカーで、DNCへのサイバー攻撃は自分1人で行ったものとしていたが、その後の調査によって、ロシア連邦軍参謀本部情報総局(GRU)の諜報部門との関連性が明らかになってきた。 今回も、マカフィー サイバー戦略室 シニアセキュリティアドバイザー CISSPのスコット・ジャーカフ氏に解説していただく。 ロシアも”うっかりミス”をしてしまう 2016年の米国大統領選挙において、クリントン氏の妨害とトランプ氏の当選を促すため大規模なサイバー攻