タグ

ブックマーク / www.megamouth.info (10)

  • 中年IT人材おじさんの平穏 - megamouthの葬列

    IT人材が不足してるんだって。零細Web制作会社で言えば、退職者が残したubuntu12サーバーに眠るRails5アプリをすぐにDDDでマイクロサービスに再構成して、jQuery満載のコードを全て読み下したうえで、フロントエンドReactかなんかのSPAに全部書き換えて、E2Eを含めた自動回帰テストを整備して、ついでにCIも整備して、k8sにデプロイできるようにして、ドキュメントは小まめに残し、職場の心理的安全性を落とさず、飲み会にはかかさず参加、役員との関係も良好で、定期的な勉強会も開いてくれて、それでも残ったプライベートの時間を最新の技術動向やセキュリティ情報の収集に全量突っ込んでくれる、そんなごく当たり前のエンジニアが不足している。ついでに言うと、人類の原罪を一身に贖ってくれるスキルの持ち主も不足しているらしい。多分、我々はもっと求人サイトに金を払うべきなんだろうね。 同業者から、

    中年IT人材おじさんの平穏 - megamouthの葬列
    isrc
    isrc 2022/05/30
    私の給与はプロパーの半分だった。ビジネスの意思決定に関与していない生産マシーンである以上これは仕方ない。これで明日も頑張って仕事しよう!って思える人だけが今もIT人材不足の謎に挑んでいる。
  • ソリティアおじさん - megamouthの葬列

    中年になったのでソリティアおじさんになりたい、と思った。西日差す窓際で、Windowsに入っているソリティアというゲームを日がな一日やり続けて、給料を貰っているおじさんにである。 ソリティアおじさんは伝説の存在だ。私も実は、目にした事はない。主に大企業にいたらしいので、就職活動すらしなかった私には縁遠い存在なのだ。 私が実際に見たことのある一番ヤベえおじさんは、CASIOの電卓を超高速で叩きながら、その計算結果を一つ一つ手入力するExcel手入力おじさんだった。 おじさんのExcelには数式がない。全てはおじさんがテンキーを叩いて入力したものだからだ。 一つセルを打ち間違えたり、後で訂正が入ったりすると、当然合計値を入れるセルの数値も変わってしまう。それを、おじさんは(Windows付属の電卓アプリではなく)CASIOの電卓を叩いて計算し、LCDが表示した内容をパソコンのテンキーで写し取っ

    ソリティアおじさん - megamouthの葬列
    isrc
    isrc 2020/08/04
    シングルクリック、ダブルクリック、ドラッグ・アンド・ドロップ。ゲームを遊ぶことで、全てが学べる。それがソリティアなのだ/代わりに私は、Google Collaboratoryを開く。呆然と、時代が変化していく不安を抱えて
  • プログラマと出世 - megamouthの葬列

    就職することになって、つまりは私が職業プログラマになって、それを聞き知った叔父が私を訪ねてきた。 「プログラマってのは、若いうちはいいが、長くはできないんだろう?」 リビングの炬燵に潜り込んだ叔父は寒そうに体を震わすと、最初にそう尋ねた。 当時、業界には「プログラマ35歳定年説」というのがあった。 郵便局員をしている叔父が知っていたというのだから、有名な話だったのだろう。 私は訳知り顔で微笑むと、業界1年目のひよっこなりに考えた、この話のカラクリを説明した。 ―――プログラマというのは、システム開発に伴う仕事の中で、単価が最も安い。ようするに給料が一番安いんです。でも、35歳にもなれば、まさか20代と同じ給料というわけにはいかない。35歳相応の給与を貰うためには、プログラマより単価の高い仕事、つまり管理職に「出世」するしかない。つまりプログラマだった人もある時が来ると出世してどこかの管理職

    isrc
    isrc 2020/08/02
    会社にとって、システムは納期が来ればなんなく出来るものだった/プログラマは会社のデスクとウォーターサーバーを往復する不機嫌な機械と変わりなかった/「やはり安定が一番だろう?」
  • ずっと夜で - megamouthの葬列

    入った会社はWebサービスをやっていた。アクセスカウンターとかレンタル掲示板みたいな、そういうプリミティブな感じのウェッブ。今でも化石みたいに残っているとこがあるよね。teacupとか。もうないか。 当時はそういうことをしている会社をASP(Application Service Provider)と呼んでいて、「うちはASP事業やってるんです」と言うと通りが良かった。 名刺代わりっていうのかな、何が出来るのか、うちはこんなに技術力あります、ってのをさ、運営しているWebサービスで表現するわけ。同業者が集まったらさ、世間話している風で、自分とこのサービス自慢しまくるんだよね。なんかこう、いやあ負荷高くて、この前もサーバー落ちてぇとか、うちのユーザーは中学生が多いんでぇとか、今で言うマウントの取り合いだよね。どこも流行ってないからさ、意味のわからないとこで競ってるんだよ。 プログラマ的にはA

    ずっと夜で - megamouthの葬列
    isrc
    isrc 2019/09/03
    ユーザーが困ってると思ったら胸がキュッとするし、義務感にかられてたね。ああいう夜は良かったよね。目が冴えて、変な笑いがあって、全然疲れない体があって、今思うとさ、それはずっと夜だった気がするんだよ。
  • プログラマのためのビジネス・マナー講座 - megamouthの葬列

    最近、若手のプログラマと仕事をしていると、フレームワークやライブラリの知識はあるのですが、常識が欠けているのではないか、と思う事があります。 業界経験の長い私たちから見ると、ほぼあり得ないようなことを、論理的な正しさだけを基準に決めつけてしまい、結果として営業が苦しむことになったり、クレームに発展するようなケースも見聞きします。 私たちにとって「当たり前」に判断できることを経験不足で判断できずに、同僚から疎まれたり、会社にマイナスの影響をおよぼしているのだとすれば、非常にもったいないことです。 今回は、業界歴20年におよぶ私が、若手プログラマの成長の一助になることを期待して、この業界のごく一般的なマナーをケース別に紹介、解説したいと思います。 商談編 Q.お客様が「Instagramに投稿された写真のうち当社の製品が写っているものを自動的に当社のHPに掲載したい」と仰ったので、「それは出来

    プログラマのためのビジネス・マナー講座 - megamouthの葬列
    isrc
    isrc 2019/08/08
    この業界のごく一般的なマナーをケース別に紹介、解説
  • 君たちはどう逃げるか - megamouthの葬列

    平成が終わるというのに、暗い話題ばかり目につく。 おおまかに言って、アラフォーは自分たちの老後はどうなるのかと、心配しているし、若い人はそもそも結婚して子供を作れるのかと、疑問に思っているし、年金世代は死ぬまで今の生活を続けられるだろうかと、気が気でない。 世間の憎しみは、この世界を作った政治家や官僚だけでなく、逃げ切ろうとしている社会階層にも向けられつつある。 はじめは、そこそこジョークじみたニュアンスで発せられていた「上級国民」という言葉が、最近では真性の憎悪以外に説明のつかない熱量を帯びて、口々にささやかれ始めているのだ。 もはやこの国で、人生の盤石と安心を確立することは難しくなった。 だからこそ、かつての繁栄と秩序がまだ残っているうちに「逃げ切る」という考え方が、注目され、羨望され、時には嫉妬深く、語られるようになっている。 そういう私も、出来ることなら逃げ出して、海辺でギターを弾

    君たちはどう逃げるか - megamouthの葬列
    isrc
    isrc 2019/04/30
    今のWeb業界、Web案件はヤバめの案件か、正真正銘のそびえたつ何とか。目に入る相場も知らないWebエンジニア志望者の群れ。悪魔がささやくのである。あの案件、彼らに紹介してあげるのはどうだろう?
  • かくして経営者は人の道を説く - megamouthの葬列

    喫茶店で紅茶を飲んでボーとしていると、隣席に男性二人組が座った。 両方とも中年から老人にさしかかった齢に見え、体格に合わせた肩幅の広い良いスーツを着ているが、どこか下卑てもいて、一見して中小企業の経営者仲間に見えた。 二人の声が大きいので、その気がないにも関わらず、会話が自然耳に入ってくる。彼らが話しているのは、誰かの悪口のようだった。 「100万貸したんやで、100万」 と禿頭のほうが言った。 「それはどうなったんや」 もう一方が尋ねた 「未だに返してこうへん。100万やで100万!」 最後のほうは息切れするような口調で、憤然とした様子だった。 どうも、禿紳士は社員かビジネスパートナーか、その人物が彼の元から去ってしまったこと、以前に貸した金も返しに来ないこと、を怒っているようだった。 さらに言葉を重ねているうちに、また腹が立ってきたのだろう。喫茶店の弛緩した喧騒の中で、彼は一際大きな声

    かくして経営者は人の道を説く - megamouthの葬列
    isrc
    isrc 2019/04/11
    それは彼らが普段、善悪の境を常に漂っているから/金に関する善悪の基準を失っている一方で、「許せない線」をどこかで引く必要に迫られている/「真っ当な人間」と「人でなし」に分ける「人の道」を説くという儀式
  • ズルイ - megamouthの葬列

    つい、身も蓋もない話をしてしまう。 してから、された方が閉口するのを見て、しまった、と思う。 後悔はするが、不思議な爽快感が残っている。多分に性格が悪いのだろう。 零細企業で受託仕事をやっていた頃、元請けの会社に向かう道すがら同僚が言った。 「またITmediaではてなが取り上げられてましたね。自社サービスやってるからですかね」 まだ、はてなのマスコット犬しなもんが健在で、伊藤直也がPerlを書いていた頃の話である。 その時、私は機嫌が良くなかった。多分、向かう先の元請けに嫌味の一つも言われようという道のりであったのだろう。 id:naoyaのキラキラした顔を思い出して、意地悪くなって、身も蓋もない事を言いたくなった。 「社長が京大出だからじゃない?」 高学歴のネットワークというものがある。コネがなくても、大学のブランドがある。キャリアをふってベンチャーをやってるなら、そう悪くもない会社な

    ズルイ - megamouthの葬列
    isrc
    isrc 2019/02/28
    約6.5万人が勝ち抜けじゃんけんを繰り返せば16連勝する人が必ず一人出る。勝者によれば「なにより大事なのは、このゲームに参加することなんだ。さあ参加しよう!」こうして、彼らは情報弱者たち誘い始める。
  • 底辺IT企業は『書けない』プログラマとどう向き合ってきたか - megamouthの葬列

    新年から夢のない話で申し訳ないのだが、表題のとおりのテーマである。 note.mu という記事があって、むやみに長いので飛ばし飛ばし読んだ。 大意としては、世の中には「書けない」プログラマというのがいて(元エントリでは学生さんのようである。さもありなん)そういう人はどうやったって書けるようにならないんだから、諦めろ、という話のようである。 で、じっと手を見て、下請け底辺のIT企業にいる私たちは、このような人々をどうしてきたろうか、と考えると、「放ったらかし」にしたなあ、と思うのである。 最初のほうは優しく教えていたと思う。話したりハンズオンしている時に、あっこの子、変数のことわかってないな、と感じたら、ホワイトボードを持ち出してきて、例の"x"と書いた箱の絵に矢印を引いて、値が入っている図を書いて、「わかった?」「あ、はい」みたいなやり取りをして終わり、という程度の「教育」である。 だが、

    底辺IT企業は『書けない』プログラマとどう向き合ってきたか - megamouthの葬列
    isrc
    isrc 2019/01/04
    テックリード人材なんて全然いらない。上から降りてきた仕事を、理不尽な変更を、安い単価で短い納期でやります。絶対に無理と言いません。という人材以外必要ないので、こうなっているし、こうなってしまった
  • 消えたプログラマの残したものは - megamouthの葬列

    システム開発の佳境に、開発メンバーが突然出社しなくなってしまう。 携帯にも連絡がつかず、3日ほど音信不通になったので、さすがに心配になった上司が大家と共に自宅を訪れると、夕日が差し込む部屋の真ん中に、当の人が何の表情も浮かべずにただ座っていたりする。 そういう事は大して珍しいことではないので、ある程度経験のあるIT業界人なら、同僚が「消えて」しまってもそれほど驚くことはない。 プログラマというのは、とかく「消えて」しまうものなのだ。と彼らは思っている。 「消えた」プログラマは、意識的にしろ無自覚にしろ自分の人生をちょっとばかり台無しにしながら、プロジェクトに虚無の穴を空けるわけだが、そうした「工程の穴」は他のメンバーが残業したり、派遣会社から来た代替の人員が埋めてしまったりする。ビジネス的には人月で数えられた我々の「数字」などというものはちょっとした帳尻あわせでなんとかなってしまうらしい

    消えたプログラマの残したものは - megamouthの葬列
    isrc
    isrc 2016/11/27
    消えたプログラマはソースコードを残す。残された者はそのソースコードに書かれた「思想」を見る。自らの「思想」を持たない者は、それを個人の「思想」としてでなく、「信仰」として受け止めてしまうのかもしれない
  • 1