カジノを含む統合型リゾート(IR)の誘致を目指す自治体の区域整備計画の申請が28日、締め切られた。一時は北海道や横浜市など多くの自治体が誘致を検討したが、結局、手を挙げたのは大阪府・市と長崎県の2カ所にとどまった。日本初のIRの選定は、この2カ所を軸に進むことになる。2014年に当時の安倍晋三政権が「観光立国」戦略の起爆剤として打ち出したIR。構想当初から環境が大きく変化する中、このまま突き進むことに果たしてリスクはないのか。 不人気、政府想定の枠を満たさず 「まさか2カ所になってしまうとは」。20日、和歌山県が議会の反対で申請断念を決めたことが伝わると、国土交通省の幹部は肩を落とした。政府はIR整備は当面「最大3カ所」としているが、和歌山の撤退で枠を満たさないことになった。斉藤鉄夫国交相は28日の閣議後記者会見で「国として申請数についてのコメントは差し控えたい」としたが、別の国交省幹部は