新古今和歌集の未知の歌が書かれていた切れ端=鶴見大学蔵 鶴見大学(横浜市鶴見区)が所蔵する奈良〜室町期の写本の切れ端を集めた江戸期の「古筆手鑑(こひつてかがみ)」から、新古今和歌集に一度収録されたが、のちに除かれたとみられる未知の歌1首が見つかった。800年以上埋もれていたとみられ、新古今集の編集過程がうかがえる貴重な発見という。 見つかったのは、「さのみやはつれなかるべき春風に山田の氷うちとけねかし」という和歌。早春にこと寄せて打ち解けてほしいと恋人に呼びかける内容だ。作者の藤原隆方(1014〜78)は紫式部の夫の孫にあたる。 鶴見大の久保木秀夫准教授(国文学)が古筆手鑑を調べて、この歌を見つけた。歌が書かれた切れ端は、すでに発見されている新古今集「巻十一」の鎌倉初期の写本の切れ端と、字体や体裁などが一致し、同じ写本から切り取られたものと分かった。しかし、新古今集の全部の歌がそろっ