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ブックマーク / spc.jst.go.jp (35)

  • 宇宙船のドッキング、中国が高感度の「目」を開発 | SciencePortal China

    2015年06月26日 中国の宇宙事業専門家は、宇宙船のドッキングに向け、感度の高い「目」を作り出した。これは中国初の第3世代ランデブー・ドッキング光イメージングセンサで、銃弾の8倍速いスピードで動く2基の宇宙機をよりスムーズかつ安全にドッキングさせることができる。この「目」は、宇宙実験室「天宮2号」、月探査機「嫦娥5号」、宇宙ステーションに用いられる。新華網が伝えた。 中国宇宙技術研究院北京制御工学研究所光イメージングセンサ事業部チーフデザイナーの龔徳鑄氏によると、宇宙船と目標宇宙機は数十万キロの追跡を経て、針に糸を通すような正確なドッキングを行う必要がある。両者の距離が150メートルに入ると、最終的なドッキング成功に向けた最も重要な段階となる。少しの誤差でも、映画「インターステラー」で、宇宙船を乗っ取り逃げ出そうとしたマン博士がドッキングに失敗した時のような災難になる。そのため、この「

  • 月面ローバー「玉兎号」、月のレゴリスの厚さが判明 | SciencePortal China

    トップ > 科学技術ニュース> 2015年04月13日-04月17日 > 月面ローバー「玉兎号」、月のレゴリスの厚さが判明 2015年04月15日 中国の月面ローバー「玉兎号」が取得したデータの分析により、月のレゴリス(地表面 における土壌)の厚さはこれまでの推算を大幅に上回っていたことが分かった。また、月では約25億年前まで大規模な火山の噴火があった可能性がある。これらの成果は月の歴史への認識を深める上で、重要な意義を持つ。新華社が伝えた。 この研究成果は13日、米国科学アカデミー紀要(PNAS)の表紙を飾った。中国の月探査機「嫦娥3号」の着陸機は2013年12月、玉兎号を搭載しながら月の「雨の海」の北部に着陸した。玉兎号は月探査レーダーを使ってレゴリスとその下の岩層の構造を調べた。人類が月探査で、月探査レーダーを使用したのはこれが初めてだ。 研究を担当した中国科学院地質・地球物理研究所

  • 月探査プロジェクト、地球と月の「ツーショット」に成功 | SciencePortal China

    トップ > 科学技術ニュース> 2015年01月05日-01月09日 > 月探査プロジェクト、地球と月の「ツーショット」に成功 2015年01月14日 国家国防科技工業局が13日に発表した情報によると、月探査プロジェクト第3期再突入・帰還飛行実験機のサービスモジュールが、3回目の月付近での制動操作を完了した。同モジュールは傾角43.7度、高度200キロ、1周127分の月周回軌道に乗り、引き続き月探査機・嫦娥5号の任務に向けて軌道上の試験・検証を実施している。人民網が伝えた。 同モジュールは1月4日に地球と月のラグランジュ点(L2点)を離れ、1月11日未明に近月点に到達し、1回目の制動操作を実施した。1月12日には2回目の、13日には3回目の制動操作を実施。同モジュールのエネルギー供給はバランスが良く、状態も良好で、地上からの制御信号を適時キャッチしており、安定的に追跡している。その飛行制御

  • 月探査機・嫦娥3号、月面着陸から1周年を迎える | SciencePortal China

    2014年12月15日 嫦娥3号着陸モジュールは12月15日未明、月の13日目の昼の予定されていたすべての作業を完了し、夜のスリープ状態に入った。12月14日午後9時14分、嫦娥3号は月面着陸から1周年を迎えた。北京航天飛行制御センターも、嫦娥3号着陸モジュールの1年間に渡る月面での安全作業という目標を実現した。人民日報が伝えた。 2013年12月2日午前1時30分に西昌衛星発射センターから打ち上げられた嫦娥3号は、2013年12月14日午後9時14分に月面に着陸し、中国は世界で3番目に地球外天体への軟着陸を実現した国となった。嫦娥3号は同年12月15日、着陸モジュールと月面ローバーの相互撮影を完了し、月面作業の段階に入った。同センターはその後、嫦娥3号を1年間に渡り長期的に管理してきた。 同センターの周建亮氏は、「月面は自然環境が劣悪で、昼夜の気温差が大きい。これは嫦娥3号の月面での生存

  • 上海航天技術研究院、初の宇宙用3Dプリンタの開発に成功 | SciencePortal China

    トップ > 科学技術ニュース> 2014年12月08日-12月12日 > 上海航天技術研究院、初の宇宙用3Dプリンタの開発に成功 2014年12月08日 「メイド・イン・スペース(宇宙で製造)」の夢をいち早く実現するため、中国航天科技集団公司・上海航天技術研究院は3Dプリント技術の開発に積極的に取り組んでおり、すでに初となる宇宙用マルチレーザー・金属3Dプリンタの共同開発に成功した。将来、3Dプリンタを宇宙に打ち上げるだけで、宇宙飛行士が必要な部品や物資を宇宙で製造できるようになるかもしれない。写真は7日、宇宙用3Dプリンタを操作する上海航天技術研究院のシニアエンジニア・王聯鳳氏。新華網が伝えた。

  • 月の核、液体核が存在か? | SciencePortal China

    2014年07月31日 中国、米国、日の科学者の国際共同研究チームのコンピュータ模型によると、月は硬い固体のみによって構成されているのではなく、液体の層による外核があるようだ。研究者は、「この仮説が裏付けられれば、伝統的な月の起源に関する理論が書き換えられる可能性がある」と指摘した。関連論文はネイチャー・ジオサイエンス誌の最新号に掲載された。科技日報が伝えた。 月の半径は約1700キロあり、月面から深さ数十キロまでの層が地殻で、そこから1400キロまでの層が岩石によるマントルで、そこからさらに深い層は鉄などの元素によって構成される月の核だ。 科学者が月周回軌道と重力の関連データを測定した際に、異常が発生した。この異常な現象を伝統的な月の模型では説明できないため、研究者らは月がすべて固体によって形成されているのではなく、液体の層による外殻がある可能性が高いと仮説を立てた。 同チームは、「月

  • 月面ローバー「玉兎号」、負傷しながらも作業を継続 | SciencePortal China

    トップ > 科学技術ニュース> 2014年07月21日-07月25日 > 月面ローバー「玉兎号」、負傷しながらも作業を継続 2014年07月22日 地球から38万キロ離れた月面で作業中の月面ローバー「玉兎号」の、最近の調子はどうだろうか?月探査機「嫦娥3号」の副総指揮・副総設計者である、上海航天技術研究院研究員の張玉花氏は、「玉兎号はスリープ状態から目を覚ましたが、故障は直っていない」と語った。新華社が伝えた。 張氏は、「玉兎号は今年1月より制御面に異常が発生し、月での二日目の昼に走行中に岩にぶつかり負傷した。玉兎号はその後、怪我をしたまま月の二日目の夜に入った。2月中旬に月の三日目の昼を迎えると、科学者はさまざまな措置を講じ、玉兎号を目覚めさせようとした。人々の希望が失われそうになった時、玉兎号は目を覚ました。私たちが想像していたより、玉兎号は強かった」と述べた。 張氏は、「玉兎号の設計

  • 「月宮1号」が中国初の長期的で多人数による密閉試験を完了 | Science Portal China

    2014年05月21日 北京航空航天大学が研究開発した月面基地生命保障人工密閉生態システム実験装置「月宮1号」が20日、中国初の長期的かつ多人数が参加した密閉試験を完了した。乗組員3人が「月宮1号」で105日にわたる科学試験を行い、成功させた。新華社が伝えた。 「月宮1号」は中国が建設した初めての、また世界で3番目の生物再生生命保障基地有人総合密閉試験システムで、中国の月有人飛行や月面基地、火星探査といった宇宙計画の順調な進展を保障し、乗組員の生命の安全や生活の質を保障する上で重大な意義を持つ。 「月宮1号」は総合棟1カ所と植物棟2カ所からなり、総面積160平方メートル、総体積は500立方メートルにおよぶ。総合棟には居住スペースや乗組員の交流・作業のためのスペース、洗面所、廃棄物処理、昆虫ルームなどがある。それぞれの植物棟は2つの植物ルームに仕切られており、異なった独立の環境条件を必要とす

  • 中国の宇宙開発事情(その13)ボリビア通信衛星の輸出 | SciencePortal China

    辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー)  2013年12月16日 中国の宇宙開発事情(その4)では中国の衛星通信の状況や「東方紅4型」衛星バスの技術などを紹介した。その中で、今後の外国向け衛星として2013年にボリビアの通信衛星「トゥパク・カタリ[1](Tupac Katari)」を打ち上げる予定であることも紹介した。2013年も残り11日となった12月20日(世界標準時、現地では21日早朝)、「有言実行の国」中国は、同衛星を西昌衛星発射センター(XSLC)から長征3B/G2型[2]打上げロケットにより静止トランスファ軌道(GTO)に投入し、2013年の最終となる15回目(うち1回は打上げ失敗)の打上げに成功して年の有終の美を飾った。今回は、中国が外国に対して通信衛星を輸出することにまつわる諸事情を紹介する。 ボリビア通信衛星の計画段階 そもそもボリビアは何のた

  • 中国の宇宙開発事情(その12)月着陸機「嫦娥3号」と月面ローバ「玉兎」 | SciencePortal China

    辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー)  2013年12月16日 2013年1月号に掲載した「中国の宇宙開発事情(その3)」では、「嫦娥3号」(Chang'e-3)が月面着陸を目指していることを紹介した。今回はその「嫦娥3号」が打上げに成功し、ロ シアと米国に次いで中国が世界3番目の月着陸国となったことから、何をするための月着陸機なのか、主な科学ミッションや技術的な特徴などを紹介する。 嫦娥3号打上げと月面着陸 中国は2013年12月1日(世界標準時、現地時間では2日未明)、月に向けて「嫦娥3号」を打ち上げた。12月6日には月周回軌道に投入され、高度を徐々に下げて、近 月点が15kmになったところでエンジンを逆噴射する動力降下段階に入り、「虹の入り江」に12月14日に無事着陸した。そこから月面ローバ「玉兎(Yutu)」を送り出し、お互いに写真を撮り合って、そ れぞ

  • 中国の宇宙開発事情(その11)観測ロケット(2013年5月の衛星破壊実験疑難との関連) | SciencePortal China

    「観測ロケット[1]」「衛星破壊実験」「子午プロジェクト[2]」と一見関係なさそうな三題噺のお題のようなキーワードは、中 国が5月13日に静止軌道上の衛星破壊も可能な新型ミサイル実験を行ったのではないかという米国などの疑難と関連している。 中国の最近の観測ロケット(中国語では探空火箭)の開発・運用動向を把握する上で、中国科学院(CAS)が力を入れている「東半球宇宙環境総合監視ネットワーク(略称:子午プロジェクト(Meridian Project))」について知っておく必要がある。衛星開発は行わないが、中国科学院においては有人宇宙飛行や月探査に匹敵する大型プロジェクト計画に位置付けられている。「 子午プロジェクト」は東経120度、北緯30度に沿って国内15カ所に観測局が設置され、観測ロケット等を利用して、中・高層大気、電離層、磁気圏などの観測が行われる。 2013年4月5日、中国科学院傘下の

  • 中国の宇宙開発事情(その11)観測ロケット(2013年5月の衛星破壊実験疑難との関連)|Science Portal China

    「観測ロケット[1]」「衛星破壊実験」「子午プロジェクト[2]」と一見関係なさそうな三題噺のお題のようなキーワードは、中国が5月13日に静止軌道上の衛星破壊も可能な新型ミサイル実験を行ったのではないかという米国などの疑難と関連している。 中国の最近の観測ロケット(中国語では探空火箭)の開発・運用動向を把握する上で、中国科学院(CAS)が力を入れている「東半球宇宙環境総合監視ネットワーク(略称:子午プロジェクト(Meridian Project))」について知っておく必要がある。衛星開発は行わないが、中国科学院においては有人宇宙飛行や月探査に匹敵する大型プロジェクト計画に位置付けられている。「子午プロジェクト」は東経120度、北緯30度に沿って国内15カ所に観測局が設置され、観測ロケット等を利用して、中・高層大気、電離層、磁気圏などの観測が行われる。 2013年4月5日、中国科学院傘下の国家

  • 中国の宇宙開発事情(その10)回収式衛星 | SciencePortal China

    辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー)  2013年 4月12日 中国の多くの衛星の中で、回収式衛星は長い歴史と多様なミッションを持つ興味深い存在である。中国は、米国・旧ソ連に次いで世界で3番目の回収式衛星打上げ国となった。なお、有人宇宙船「神舟」も 回収式衛星の類であるが、有人宇宙飛行の項で紹介済みなので、それ以外の回収式衛星23機について一覧表を付した。中国はなぜこれほど回収式衛星に精力を注いだのか。現 場の技術者はどんな気持ちでこのプロジェクトを推進したのか。回収式衛星が落下してくる地域ではどんな事件が起こったのか。今回は中国における回収式衛星の実績とともに、米ロとの対比、回 収にまつわるいくつかのエピソード [1] を紹介する。なお、日はこれまで洋上で回収する「USERS」衛星を1機打ち上げただけである。 旧ソ連と米国の回収式衛星 中国の回収式衛星を理解

    iwamototuka
    iwamototuka 2014/04/28
    ウラバナあり
  • 中国の宇宙開発事情(その9)大学等の小型衛星|Science Portal China

    辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー)  2013年 3月21日 科学技術振興機構(JST)が2009年にとりまとめた「中国の宇宙開発の現状」[1]では、大学における小型衛星開発等について簡単に触れた。中国では、大学・中国科学院・中国宇航学会・宇宙企業に属する研究機関なども独自の小型衛星(中国の区分では重量1,000kg以下のミニ衛星、マイクロ衛星、ナノ衛星を含む)を開発している。今回はそれらの衛星を紹介する。 大学の小型衛星 世界各国の大学では、理工学教育の一環として学生による衛星製作が盛んに行われている。我が国でも1993年から大学生を対象とする衛星設計コンテスト[2]が毎年開催されており、一部の大学による机上設計・模型製作に留まっていた時代から、多くの大学や高専の学生が実機を製作して打上げ・運用を実施する時代になってきている。 中国でも学生衛星への関心は高い

  • 中国の宇宙開発事情(その8)地球近傍環境観測衛星 | SciencePortal China

    辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー)  2013年 3月11日 科学技術振興機構(JST)が2009年にとりまとめた「中国の宇宙開発の現状」[1]では、中国の宇宙科学衛星は「双星」2機と「実践」2機の計4機であると述べた。その後2011年に行った「世界の宇宙技術力比較調査」でも、その4機だけが地球近傍環境観測衛星に該当するものとして比較評価を行った。 今回改めて中国における「地球近傍環境観測」ミッションの実施状況を調査したところ、これまでは技術試験衛星(例えば新型ロケットの性能を評価するための衛星)と見なしてきた衛星の中に、実は宇宙環境計測を行っていると判明したものがいくつか出てきた。それを集計すると、中国の地球近傍環境観測衛星は14機となった。以下、中国の「地球近傍環境観測衛星」について、ミッションの詳細を紹介する。 双星計画 「双星」(Double Star

  • 中国の宇宙開発事情(その7)APSCO|Science Portal China

    辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー)  2013年2月14日 中国主導の国際宇宙協力機構 APSCOとは中国が主導する「アジア太平洋宇宙協力機構」(Asia-Pacific Space Cooperation Organization) [1] の略称である。機構設立の手続きとして、設置根拠となる「アジア太平洋宇宙協力機構条約」 [2] を各国政府に提示し、アジア太平洋地域で批准国が5カ国以上に達した時点で、国際連合憲章に基づき国連事務局に登録を行った。 条約文書によれば、APSCOはアジア太平洋地域及びその周辺の国からなる政府間の国際組織で、加盟国間の宇宙科学・宇宙技術及びその応用領域の多角的な協力を推進し、各加盟国の宇宙能力を向上させ、各 国の持続可能な発展を促進することを目指している。 APSCOには2012年末現在、バングラデシュ・中国・イラン・モンゴル

  • 中国の宇宙開発事情(その6)航行測位|Science Portal China

    第2世代北斗航行測位衛星の性能と特徴 北斗2シリーズの衛星には3種類の軌道があるが、衛星バスは東方紅3型で共通している。第1世代の北斗衛星でも同じ型式のバスが用いられていたが、改良されて設計寿命が長くなり(5年→8年)、重量も重くなっている(2.2t→3t前後)。以下に3種類の軌道に分類できる衛星シリーズごとの性能や特徴を記す。 ①静止軌道の北斗2 G衛星シリーズ 北斗2で「G」の付く衛星は静止軌道にあることを示している。北斗2のG衛星の現在の静止位置は、東経59度(G5)、80度(G6)、110.5度(G3)、140度(G1)、160度(G4)付近である。最初に打ち上げられたG2は赤道上空でドリフト(漂流)中で、毎日約0.2度ずつ東へ移動(約5年で地球を一周)している。 第1世代の北斗衛星で多くの人に利用され、四川大地震でも安否確認などで役立ったショートメッセージ交換機能は第2世代衛星に

  • 中国の宇宙開発事情(その5)地球観測|Science Portal China

    辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー)  2013年 1月17日 科学技術振興機構(JST)が2009年にとりまとめた「中国の宇宙開発の現状」[1]では、2009年9月までの地球観測衛星の概況や中国と欧州の協力による第2期龍計画(ドラゴン・プログラム)などを紹介した。その後2012年12月までの間に中国は資源探査衛星「資源(ZY)」、気象観測衛星「風雲(FY)」、海洋観測衛星「海洋(HY)」、環境観測衛星「環境(HJ)」、リモートセンシング衛星「遥感(YG)」などの各ミッションで計20機の衛星を次々に打ち上げた。そのほか、2010年から測量衛星「天絵(TH)」という新たなミッションを開始し、さらに2012年には欧州と共同の第3期龍計画を開始するなど、地球観測に関連する技術開発や応用研究を着々と充実させている。 地球観測活動で重要なことは、衛星によって得られた観測デ

  • 中国の宇宙開発事情(その4)衛星通信 | SciencePortal China

    辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー)  2013年 1月 8日 科学技術振興機構(JST)が2009年に取りまとめた「中国の宇宙開発の現状」[1]では、中国における衛星通信の概況や通信企業の組織などを紹介した。また、中国の代表的な衛星バスである東方紅4型(Dongfanghong Ⅳ)や衛星追跡管制施設なども紹介した。その後、新たな通信衛星の打上げや国有企業の再編、新規参入などがあり、目まぐるしい変化を見せている。今回は、現時点での中国の衛星通信企業の状況や今後の計画などを紹介する。 中国の通信衛星には、特別行政区である香港に社を置く衛星通信企業が運用するものも含まれる。香港企業の衛星は、欧米の衛星メーカーで製造されており、打上げサービスでも欧米のロケットが使われている。それぞれの分野で、宇宙産業の世界的な競争が感じられる。 中国の通信事業と衛星通信 2012

  • 中国の宇宙開発事情(その3)月探査 | SciencePortal China

    辻野 照久(科学技術振興機構研究開発戦略センター 特任フェロー)  2012年12月19日 科学技術振興機構(JST)が2009年にとりまとめた「中国の宇宙開発の現状」[i]では、宇宙科学分野の中で月探査機「嫦娥1号」(Chang'e-1)を紹介した。今回は「嫦娥2号」以降の進捗状況を取り上げる。 嫦娥2号は小惑星に最接近 中国は「嫦娥1号」の開発と同時に地上予備機も製造していた。「嫦娥1号」のミッションが終了した後、この地上予備機にいくつかの改良を加えて2010年10月に「嫦娥2号」(Chang'e-2)として月周回軌道に投入した。「嫦娥1号」は月面高度約200kmで周回したが、「嫦娥2号」は日の「かぐや」と同じ高度約100kmで周回した。約1年間の月周回期間中、「嫦娥1号」よりも高精度の観測を行い、次の着陸ミッションで必要となる着陸予定地点の詳細な観測も行った。中国の月探査の第1段階