水が張られた田んぼを優雅に泳ぐ、自動抑草ロボット「アイガモロボ」。近い将来、この可愛らしい姿が初夏の風物詩になるかもしれません。 「アイガモロボ」を開発したのは、日産自動車のエンジニアだった中村哲也さん。現在は、有機米デザイン株式会社の取締役として、全国各地の田んぼを飛び回っています。 なぜ、自動車開発から農家を助けるロボット開発へと、進む道を変えたのでしょうか? 震災後に始めた米作りがきっかけ――日産の開発部門に所属していた中村さんが、なぜ米作りをすることになったのでしょうか? 中村:2011年の東日本大震災で、首都圏でも食料が十分に手に入らない事態が起こりました。その体験をきっかけに、米や野菜を自分で作れるようにしなければと考えるようになったんです。 実際に現場で米作りをやってみようと、山梨県北杜市で有機米作りに1年間参加しました。 ――体験してみて、とくに大変だと感じたことはなんでし