人生、先のことはわからないものである。時として、ものごとは、まったく予測のつかない方向へと流れていく。もちろんわたしたちは、頭ではそれを理解しているはずなのだが、人生があまりに予想外の展開を見せるとき、ついどうしても、「わかんないもんだねえ」と、首をひねってしまうのだ。 ヨウちゃんは、ちょうど一年前、代官山のクラブで、ひとりのキュートな女の子に声をかけた。そしてそれから一年後の今、彼は、お坊さんになろうかどうか、真剣に迷っている。とんでもない展開である。一年前のヨウちゃんに教えてあげたい。来年の今ごろ、きみは、お坊さんになろうかどうか、まじめに考えているんだよと。彼はきっと、誰よりも驚くだろう。 「なんだよそれ! なんで俺、お坊さんなんだよ!」 ヨウちゃんは、わたしと同じ三十四歳で、システムエンジニアの仕事をしている。独身だが、さわやかなルックスと、あかるい性格で、女の子にも人気があり、仲

