ゲームレビューの営みは人間の不思議なエネルギーで駆動する。 遊ぶのが好きなら読み書きの時間で実際にプレイした方が楽しめるし、感触を知りたいだけならゲーム配信や実況動画の方が役立つ。発売前後にメディアが一斉公開するものならまだしも、数ヶ月、数年、数十年経った作品でも読み書きされるのは人間がつねに共感を欲し、そこに深い意味をもとめざるをえないからだ。 この記事では、ゲームレビューの読み書きをとおして感じてきた固有の難しさをまとめる。ひとつひとつにもっと掘り下げるべき奥深さがあるが、僕が目指したのは見取り図の作成だ。 結論を先にいうと、ゲームレビューを書くのがなぜ難しいかには以下の3つの要因がある。 プレイングの困難:ゲームを遊ぶことは作品ごとやジャンルごとに一定量の学習を要求し、課題構造がそのプレイングを可視化するため巧拙の誤魔化しがきかない 文章表現の困難:動画媒体のコンテンツが人気を博して