20世紀は(残念ながら)「現代(無調)音楽」の時代である。 バッハ〜モーツァルト〜ベートーヴェン〜シューベルト〜ショパン〜ワグナー〜マーラー〜ドビュッシーなどなど数百年に渡って脈々と伝えられてきた「クラシック音楽」には、その時代時代に「新しいがゆえに難解で理解しにくい音楽」が確かに存在した。 しかし、新しく・難解な音楽も、数十年の時を経てみれば受け入れられる。新しい音楽は、理解し受け入れるのに「少しばかり」時間が必要なだけなのだ。そう思われてきた。 ところが、20世紀に登場した「現代(無調)音楽」は、ちょっと様子が違う。 無調で作品が書かれるようになったのは、まさしく20世紀初頭である。それは、調性にがんじがらめになり肥大した後期ロマン派音楽の反動として、産声を上げた。 最初は「太刀打ちできないほど巨大な」伝統的音楽への「ごまめの歯ぎしり」的な反抗に過ぎなかったはずだった。音楽とはメロディ