旅に行ったり体調を崩していたのだが、小説をやっと再開した。 やっぱり小説を書いていないと心理的に落ち着かない。自分の中では、これしかないと思っているし、「何のために生きているの」と聞かれたら、一瞬も迷わず「小説を書くため」と答える。(というわりには書いていないので。苛立ちが募る) ぼくは、実に古式ゆかしくも「自己実現」を小説を書くことによって行おうとしている。「これぞ自分」という「自分らしい生き方」をしたいと思っている。 そのくせ、小説の中では、こういう「自分らしい生き方」をしようともがく人間のくだらなさを描いている。 自分自身の、いかにも文学青年らしい生き方自体、非常に恥ずかしいとは思うけれども、こうするしかないと思う。 ただ少なくとも、この恥ずかしさを21世紀にもなって、書く物に反映させるような破廉恥なマネはしないぞ、とは思う。