エリー運河は1817年に構想されたインフラストラクチャ・プロジェクトです。 アメリカは欧州からの移民により発展した国ですが、それらの移民はボストン、ニューヨーク、フィラデルフィアなど東部の沿岸部に先ず入植しました。 これらのアメリカ東部の都市はアパラチア山脈によって中西部と分断されていました。アメリカは「西へ、西へ」と開拓を進めるわけですが、アパラチア山脈が邪魔して東部と西部は経済的に分断されていたのです。 ニューヨークのハドソン川は北のアルバニーに伸びています。そこから西へ向かう経路だけが、アパラチア山脈に邪魔されない、平坦なルートでした。だからそこへ運河を掘る計画が持ち上がりました。アルバニーから、五大湖のひとつであるエリー湖に面するバッファローまで、延長584キロの運河が構想されたのです。 エリー湖とハドソン川は172メートルの水位差があります。そこで幾つもの水門を設け、水位差を克服