宮崎奨（３０＝香川）が、１１Ｒを逃げて４日目の準優勝負駆けにつないだ。「足は良くなってるけど、自分のレースはちぐはぐになってますね。気合が空回りしてるのかもしれませんね」と苦笑い。 予選最終日は、１０Ｒ１号艇の出番。準優へ２着条件だが「レースに集中して勝って予選を突破したい」と１走入魂の気構えで挑む。

１２Ｒで優勝戦が行われ、１号艇の福来剛（３４＝東京）がイン速攻を決めて今年２度目の優勝を飾った。 インからコンマ１２のトップスタートを踏み込むと、１Ｍを先に回って、握ってきた一瀬明を振り切ってバックで独走態勢に入った。最内を差した伊藤宏が伸びて２Ｍを先に回るが、差した一瀬が２着を確保。片岡雅裕は、先行する伊藤に再三迫るも、伊藤が３着を守った。

今回勝ち星のなかった井上昌己（３６＝長崎）が選抜６Ｒで面目躍如の１着を決めた。目標の野口大誠が不発。 「ほぼ自分が自力でいってきつかった。レースをつくれたけど、もっとスピードに乗せられると思った」と振り返った。 それでも「かつてない絶不調」というだけに、まずは人気に応えてホッとした表情を見せた。 「腰痛で練習不足」と原因はある程度分かっている。「腰さえ治ればすぐ戻ると思う」と４月の地元佐世保Ｆ１、静岡Ｇ１日本選手権に向けて復活を誓っていた。

１０７期のルーキーチャンピオンに出場するなど今、新山響平が注目を集めているが、その兄で９８期の将史（２５＝青森）も負けてはいない。 選抜５Ｒでは先輩の金成和幸を引き連れてワンツーを決めた。レースは神田龍－井手健の３番手を確保してまくり気味に追い込んだ。本人は内容的には、満足することなく「３番手に入るより、そのまま踏み込むべきでした」と反省しつつ、「後ろに金成さんもいるし、確実に２人で決めたかったから手堅くいきました」と苦笑いで本音もポロリ。

地元の細川裕子（３４＝愛知）が前検１番時計タイをたたき出した。 「特別に出ていくことはないけど、いい感じですよ。体感、雰囲気がいい。こんな時は微調整をするだけですね。落ち着いてレースをしたい」とにっこり。同じドリーム組の谷川里江も「細川さんが良さそうだった」と動きの良さを認める。細川らしい豪快な仕掛けに注目だ。

稲垣裕之（３８＝京都）が８番手に置かれながらも、強烈な踏み込みで３着に突っ込み準決１０Ｒをクリアした。 レースは河村雅章の３番手まくりには屈したが、スピード自体は申し分なかった。「もう少し位置取りをしっかりしていればもっと楽だったはず」と課題を挙げながらも「やっと自力らしい自力が出せて感触をつかめた。日を追うごとに良くなっている」と手応えを感じ取った。決勝は古性優作に前を任せて柔軟な組み立てで打開する。

茂木和臣（４６＝埼玉）が健在ぶりを見せた。 初日予選８Ｒ山田義彦のカマシをぴたりと追って２着に入り、地元ワンツーを決めた。「きつかった。山田のダッシュがいつもよりすごくて、付いていけてよかったよ」と安堵（あんど）した。 昨年１１月富山の落車で右肩甲骨を骨折。２月下旬に練習を始めて、復帰２場所目がこの地元戦だ。「もう上出来だよ」と無欲を強調するが、準決１１Ｒは後閑信一の後ろ回り。ゴール前は突っ込む腹づもりだ。

今月末で廃止が決まっている千葉・船橋オートで、地元の永井大介（３９）がラストバトルを制した。２着に青山周平、３着に中村雅人が入り、船橋勢が上位を独占して有終の美を飾った。 永井が魂の走りで青山周平とのデッドヒートを制した。１周３角で逃げた青山をさばいたが、同４角で外に膨れて差し返された。３周１角で再逆転してからは青山に仕掛ける隙を与えずに押し切った。オートレースが好きで、船橋オートに通い詰めて、そしてレーサーになった。あこがれの片平巧や池田政和の背中を見ながら新王者に上り詰めた。オートレースを愛する気持ちが誰よりも強い男が、地元の最終章で感涙のゴールをした。 永井はあいさつに立ち「まだ１０年くらい船橋最強軍団が続くはずだったけど、これからも船橋の精神、船橋の魂を持ち続けて選手を続けていきます」と話した。レース終了後に閉場式が行われ、ファンが走路に入る「オーバルウオーク」で６５年の歴史に幕を

表彰式で森田健作千葉県知事が登場すると、場内から大ブーイングが沸きおこった。 表彰状を渡す時や「６５年の歴史の中で財政面で大きく貢献していただきましたが、入場者数や売り上げの減少で今後の事業継続が困難となり、廃止という苦渋の決断となりました」とあいさつしたときも『帰れコール』の大合唱が続き、ファンの悔しい気持ちがにじみ出ていた。

初日メーンの１２Ｒは杉山裕也（３０＝愛知）が５コースからまくり差しを決めた。 初日の外枠２走を２、１着にまとめ、前検はひと息だった舟足も上昇。「普通くらいにはなったと思う。回していった方が感じはいいですね」と戦えるレベルに押し上げてきた。 ２日目は４、１０Ｒの２走で２、１枠。好枠デーを味方にさらなるポイントアップを狙う。

地元のホープ、木下翔太（２４＝大阪）が好走を続けている。 ３日目は外枠２走で２、３着を確保。オール３連対をキープし、得点率は３位につける。「行き足も出足も伸びもいい」と６号機の感触は抜群。４日目の出番は２、３枠。逆転トップ通過へ連勝を狙う。

大嶋一也（５８＝愛知）が前検から慌ただしく動いた。 「ペラはたたいた。とにかく乗れない」と、乗り心地を中心に不満を見せた。初日は１２Ｒ１枠を含めた２走。足を上積みして、連勝発進を視野に入れる。

優勝戦１２Ｒは１号艇の坪井康晴（３８＝静岡）がインから圧勝した。 ０８年浜名湖チャレンジカップ以来、３度目のＳＧ優勝を飾った。「本当にうれしいです。今年はグランプリのベスト６を目標にしているので、優勝できてうれしいです」と大勢集まったファンの祝福を受けた。

吉田拡郎（３３＝岡山）は１４年１０月以来となる戸田出場だが、思い出深い水面。１２年３月のクラシックではＳＧ初優出を果たした場所。１４年３月には地元桐生の完全優勝を阻み、優勝した。 「そんなに来ていなかったですか。あの桐生くんの優勝を止めたのは気持ち良かった」と笑顔。機は複勝率４７・９％の実績機で「満足できる」と今節の活躍を予感させていた。

優勝戦は１２Ｒで行われ、１号艇の坪井康晴（３８＝静岡）が逃げ切った。坪井は３度目のＳＧ制覇。２着は深川真二、３着は中野次郎が入った。 払戻金は、２連単（１）（４）６８０円、３連単（１）（４）（３）２４８０円。 （注＝成績、払戻金などは必ず主催者発行のものと照合してください）

１１６期の新鋭・檀将太（２０＝福岡）が今節複勝率１位の５３号機をゲットした。 「伸びがすごいです。スリットで悪くても半分ぐらい出ていくし、サイドもかかるから回り足も悪くない」と手応え十分。初日は５Ｒ６号艇の１回出走。「スタートは冷静に、全速で仕掛けたい」と、水神祭に照準を合わせた。

海野康志郎（２８＝山口）が予選を１位で通過した。好調４４号機のパワーを存分に発揮して、機力も上位グループの一角だ。 準優は１２Ｒの１号艇で登場。当地初Ｖを引き寄せるためにも、準優をきっちり勝つのみ。まずは優勝戦の好枠獲得で、Ｖ確率を高めたい。

三谷竜生が激闘をしのいで完全Ｖを狙う。 準決は赤板で新山響平が前を押さえると番手に飛び付いて大槻寛徳と激しくやりあった。「４回ぐらい強烈なブロックをもらったかな」と苦笑まじりだが、最後は競り勝って逃げ粘る新山をゴール前で差し切った。「突っ張り切れなかったら粘ることも考えていたが、展開です」と口元を緩めた。タテのスピードに加え、ヨコの強さを強烈にアピール。決勝は中井太祐の番手。後位で準決同様の仕事をこなせば、３車結束する北勢を撃破して日刊スポーツ杯制覇だ。

松尾信太郎がランクアップの真っただ中だ。 ゴール前の伸びがよく、前場所の豊橋決勝は、９２期同期で目標にした山崎将幸のまくりを差して３連勝でＳ級初Ｖ。「以前、Ｓ１班だった山崎君を抜いた。後方になっても、しのげる」と充実ぶりに胸を張った。日ごろはＧ１チャンプの園田匠や小川勇介と乗り込み、スピードの絶対値も上がっている。石丸寛之マークの初日予選７Ｒは「踏み出しは緊張するが大丈夫だと思う」。逆転の期待も膨らませるような笑顔で自信をのぞかせた。

佐藤悦夫が苦境をしのいで３着をゲットした。 目標にした吉沢純平が打鐘から内を突いて、逃げる三浦雄大の番手まで上昇。「あの展開で追走するのは苦しいが、逆に競りに早く決着がついた」。吉沢の番手は初手から小野俊之と競りだったが何とか競り勝って追走。それでも歴戦の小野だけに「どこからでも突っ込んで来る」と警戒した。その通り、直線で小野が踏み込んだが佐藤と接触して落車。「あれさえなければ（２着だった）」と悔やんだが、決勝では再度吉沢の番手を得た。一発に乗って波乱を狙う。

【窪寺伸行・オレに任せろ】 ◆１２Ｒ　準優１号艇が１０、１１Ｒと連敗。前付け志向の深川真二、守田俊介が４～６枠に入ることになった。進入から風雲急を告げるムードだったが、準優１２Ｒの走り、優出の顔ぶれと枠を見て、坪井康晴◎を決断した。 注目の進入、結局は枠なりに収まるとみる。外枠勢は当然動きたいだろうが、４枠深川は４カドも視野に入れる。６枠守田も大外は避けたいが、５枠松井繁の抵抗は必至。松井の「今言うても（どうなるか）分からない」というのが本音だろうが、思惑と思惑が絡み合ったあげく、やむなく枠なりになるのではないか。 パワーは坪井が断然だ。次ぐ評価だった今垣光太郎の脱落で、総合的には頭ひとつ抜けた存在になった。坪井も「全部がまとまって短所がないところが長所。（出力低減機での）ＳＧの中では一番いい」と納得。全てに◎評価がつき「鉄人２８号」の異名に違わぬ、万能な強さを誇る。たとえ進入で深くなって

エース機「鉄人２８号」を駆る坪井康晴が予選首位→準優１着→優勝戦１枠の王道に乗った。 準優は１０、１１Ｒと１号艇が連敗する波乱もあったが、１２Ｒの坪井はインから力強く快勝した。「オレに任せろ」の窪寺も考えを巡らせた結果、頭ひとつ、いやふたつ抜けたパワーの坪井本命に結論は行き着いた。本紙中川も坪井本命だ。予選２位の今垣光太郎は１１Ｒで痛恨のフライングに散った。

松井繁が準優１２Ｒで２着に入り、ＳＧ６２回目の優出を決めた。「朝の試運転では全く駄目だったけど、レースでは回転をしっかり合わせられた」と準優にきっちり間に合わせた。 平和島は昨年１２月のＧ１周年で優勝。今節は連続Ｖの期待も懸かる。「自分の知識を最大限出して頑張りたい」。百戦錬磨の王者が、ＳＧ１３回目の優勝を目指す。

【１２Ｒ：優勝戦・決断】 坪井がエース機パワーを存分に発揮して、ポールポジションを手に入れた。機力は断然で、あとは自分との戦いになる。今節は自分の足を信じた走りに余裕がうかがえる。３個目のビッグタイトルへ、逃げ切りを決める。対抗田村は準優と同じく差し勝負。ターン回りの仕上がりは十分で、坪井のターンが少しでも漏れるようだと逆転の俊敏差しが入る。地元中野はＳＧ初Ｖへ気合。準優で早過ぎるスタートを放った冷静さもあり、全速旋回は侮れない。外枠勢は進入で動けそうにないが、パワーの裏付けがある守田に注目する。 坪井　飛び抜けたところはないけど、全部の足がまとまっていて上位。特に回ったあとの足がいい。短所がないのがいいです。 田村　回ってからがスムーズで乗りやすさもありました。バランス型で上の下。不満なところはない。スタートもう少し行きたい。 中野　伸びはいい方で、出足は弱いと思っていたけど３日目ぐらい

守田俊介がツキありの展開で優出した。準優１１Ｒは２周２Ｍで毒島誠と笠原亮が競り合った展開に乗じて２着に入った。「運が良かった。ラッキーです」。 優勝戦は６号艇だが、「メンバーがそろっているので難しいけど、６コースから行く気はほとんどない」と強気だ。「ツキは６人の中で一番あると思う」。再びラッキーボーイとなるか。