わずか1年で新プロセッサーを開発した MTA-2 今回のスーパーコンピューターの系譜は前回に続きMTAの話である。1997年のMTA-1から5年後になる2002年、旧Tera ComputerことCray Inc.はMTA-2をリリースする。 MTA-1とMTA-2は、アーキテクチャーはほぼ同じで、相違点は製造プロセスであった。MTA-1は1つのプロセッサーが26個のGaAs(ガリウムヒ素)製の集積回路(結構大規模なASICだったらしい)を利用していたが、これをCMOS製に置き換えた形になる。 もともとTera Computer自身はCMOSに関して知見を持っていたわけではないが、旧SGIのCray部門のリソースと開発人員を引き継いだ結果として、CMOS回路に関するノウハウも手に入れたようだ。 もっともその元になるCRI自身も、もともとはBipolerでシステムを作っていたわけだが、同社が