向山製作所の社長、織田金也さんは、自社商品に絶対的な自信を持っている。だから、なんの色眼鏡もかけず、商品そのものだけを評価してほしいという。 その商品とは生キャラメルである。口に入れたとたんに濃厚な甘さが口の中に溶け出し、すぐに小さくなって消えてなくなる、あの不思議な食感のお菓子だ。向山製作所は2009年から生キャラメルを製造販売している。 同社の生キャラメルはとかく色眼鏡で見られがちだ。まず、同社は食品関連の会社ではない。生キャラメルを売り始めたとき多くのマスコミに取り上げられたのは、同社がお菓子メーカーや乳業メーカーではなく下請けの小さな電子部品工場だったからだ。 電子部品工場が作る生キャラメルとは一体どんな味なのか。地元の新聞から全国ネットのテレビ局まで興味深々で取材に訪れ、全国に報じられた。 色眼鏡はそれだけではない。その後、同社の生キャラメルはさらにやっかいなレッテルを張られるこ