「私が死んだら家にひきこもっている息子は生きていけるでしょうか」。東京都のファイナンシャルプランナー畠中雅子さん(50)は15年ほどこんな相談を受けてきた。訪れるのは年老いた親たちだ。 1年前の夏。電車を2時間ほど乗り継ぎ、関東地方に住む女性(70)が訪ねてきた。夫は他界し、40代前半の息子と暮らす。就職して間もなく失職し、20年近くひきこもる息子のことを話し始めた。 「ネットでCDやゲームソフトを代引きでどんどん注文し、私が払うんです。でも本当に必要でもないみたいで、未開封の箱が部屋の前に積まれていて……」 家計の収支があいまいなのは明らかだ。畠中さんは女性宅の全資産を聞き取って紙に書き出し、息子が80歳まで1人で生きると仮定して1カ月に使える金額をはじいた。 「生活費に上限が必要です。『浪費をやめれば今の貯金で生きていけるが、このままでは65歳で底をつく』と紙に書いて渡して下さ