アゴラ研究所の運営するエネルギー研究機関であるGEPRのコラムを紹介する。 【要旨】日本で7月から始まる再生可能エネルギー固定価格買取制度(FIT)の太陽光発電の買取価格の1kWh=42円は国際価格に比べて割高で、価格が乱高下するバブルを誘発する可能性がある。安価な中国製品が流入して産業振興にも役立たず、制度そのものが疑問。実施する場合でも、1・内外価格差を是正する買取価格まで頻繁な切り下げの実施、2・太陽光パネル価格と発電の価格データの蓄積、3・費用負担見直しの透明性向上という制度上の工夫で、バブルを避ける必要がある。 朝野賢司 財団法人電力中央研究所主任研究員 1・日本はFITで「一兎」も得られない 経済産業省の調達価格等算定委員会は4月27日の会合で、7月から施行される固定価格買取制度(Feed-in Tariff、以下FIT)の委員長案を了承した。同案では、例えば太陽光発電(以下P