世界自然遺産への登録をめざす鹿児島県・奄美大島で、環境省が近く猫の捕獲を始める。人間が島に持ち込み野生化したもので、環境省は、島固有のアマミノクロウサギなどの希少動物を襲い、生態系に影響がある、と説明する。捕まった猫の多くは殺処分される可能性が高く、疑問の声もある。 独自の生態系と絶滅危惧種が数多く生息する生物多様性から、自然遺産への登録をめざす「奄美・沖縄」(鹿児島県・沖縄県)。だが、諮問機関の国際自然保護連合(IUCN)は持続可能性に疑問を呈し、登録延期を勧告した。 奄美大島の山林では2008年以降、環境省が設置したカメラに複数回、猫がアマミノクロウサギなどの希少種をくわえる姿が撮影されている。山林内の猫は2014年度時点の推計で600~1200匹。ハブ対策として持ち込まれたマングースとともに生態系を壊すとして、自然遺産登録に向けた課題の一つとされてきた。 環境省と地元自治体は今年3月