すっかり忘れていたことなのだけれども。 入社したばかりの頃に、「この本を読んでおきなさい」と新入社員のみんなに配られた本があって、それはペンギンの国にやってきたクジャクの話で、簡単にいえば、ペンギンの国にスカウトされてやってきたクジャクが色々とがんばるんだけど、独特のルールや慣習を守ることを大事にしているペンギンたちのコミュニティになかなかなじめず、結局同じようになじめない鳥たちと一緒にペンギンの国を離れ、新しい島に移り住む、みたいな話だった。 ぼくは当時、やってきたばかりの会社の環境になじめなくて悩んでいたところだったので、これは、早く会社を辞めて出ていけ、というトップからのメッセージなのか、と半ば本気でそう思った。 ようやくペンギンの国に入国することができたばかりなのに、さっさと出ていけと言う。 まったくもって、謎だった。 いったいこの会社はぼくらに何を求めているのだろうと。 それから